桃色フィルター -数原龍友-

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ずんずん歩く周平について行ったら

わたしが来たことがないところに出た。






『初めて来た』


周｢迷うなよ｣


『そんなにバカじゃないですー』


周｢リュックのファスナー開きっぱなしの奴が何言ってんだよ｣


『え！？』


周｢ぷっ、うそぉ〜！｣


『周平のあほ！』






そんなくだらないやり取りしてたら

どこからか美味しい匂い。



ついた って周平が指さす先には

かわいい小さなお家みたいなお店。






『わ、クレープ？』


周｢お前はおやつの時間だろ？｣


『15時におやつ食べてないもん』


周｢リュックにお菓子常備してるくせに｣


『それはみんなで食べようと…！』


周｢ミユしか友だちいないのによく言うわ｣






むかつく周平のほっぺ思っきり握ってやってからお店に入った。



…ここに周平来たかったの？

いつの間に甘いもの好きになったんだろ。


この前のケーキもだけど

美味しそうなのばっかり知ってる。






『うわぁ、全部美味しそう』


周｢甘そうなのばっかだな…｣


『…食べたかったんでしょ？』


周｢そ、そうだよ｣






わたしはいちごがいっぱい入ったクレープ。

周平は結局クレープ屋さんなのに

メロンフロートを頼んだ。






『ね！すっごい美味しい！1口あげる』


周｢え、いらねぇ｣


『そんなこと言わないで、ほら！』






周平が連れてきてくれたお店だから

食べないのもったいないって思って

半ば無理やり食べさせた。






周｢…あ、うま｣


『でしょ〜？』


周｢つーか、食べさせ方豪快すぎ｣


『そんなことな…、あ、鼻にクリームついてる〜笑』


周｢はぁ？恥ずかしいからやめろよ｣


『待って、取ってあげる』






なかなか周平背が高いから

ちょっと背伸びして鼻についたクリーム取った。


もったいないからそのままパクって食べちゃったんだけど。






周｢何してんの！？｣


『え？食べた』


周｢おまっ、それ俺の…！｣


『周平が食べたかった？』


周｢ちがっ…、はぁ…。何でもない｣






そっぽ向いて顔隠す周平が変で

下から覗き込むように見たら

ちょっとだけほっぺ赤くして

恥ずかしそうにしてるの。


それ見てから

わたし少し大胆なことしちゃったって思って

何だか周平の恥ずかしさ移っちゃった。






周｢何でお前まで赤くなってんだし…｣






…変なの、周平にちょっとドキドキしてる。




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