桃色フィルター -数原龍友-

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Aside.




龍｢ごめんな、かっこよくお迎えとかできんで｣


『ううん！そもそもお家隣だからお迎えも何もないし笑』


龍｢そうやな笑 あ、次右やで｣






龍友くんのお友だちさんに借りた車を運転中。


ナビついてるから分かるのに

龍友くんさっきからナビより早く説明してくる。



大丈夫だよ って言ったら

事故られたら困るんやもん って。


…もう、お友だちさんの車なんか借りるからだよ。






『今日行くのってどんなところなの？』


龍｢お楽しみの方がええやん｣


『気になってしょうがないんだもん』


龍｢神奈川にある、とある場所｣


『あ、出た。とあるって言葉。ブログで乱用してるよね』


龍｢大人の事情がたくさんあるねん笑｣






車内はもちろん、わたしがGENERATIONSを流してて

助手席で龍友くんがたくさん話してくれる。



行き先は気になりすぎるけど

この空間がもう既に楽しくて

ずっとドライブでもいいかもな〜って思っちゃう。






龍｢そばにいて〜｣


『この歌ね、周平がよく歌ってる』


龍｢え、周平くんってGENE聴くん？｣


『わたしが勧めたら聴き出したの』


龍｢嬉しいわぁ。今度一緒にカラオケでも行こうかな｣


『…！？ わたしだってまだ龍友くんと行ったことないのに周平に先越されるなんてやだ！』


龍｢わがままめ〜笑｣






運転してるから横見れないのに

龍友くんってばほっぺ押してきて。



大げさなくらいにドキンって胸が鳴って

今すぐ横向きたい衝動に駆られる。






『龍友くん、事故りそう…』


龍｢ん？どうした、疲れた？｣


『ううん…恋煩いが……』


龍｢あぁ、治らんやつや笑｣






一生治らないんじゃないかな。


龍友くんしか見えないから。






『そういえば周平で思い出した。今日バイト代わってもらったんだった。ちゃんとお礼言わないと…』


龍｢…同じバイト先なんだっけ？｣


『うん。言ってなかった？何かね、代わるから今度俺の言う事きいて〜みたいなこと言ってきたんだよ』


龍｢ほんま…仲ええよな、｣


『仲いい…のかなぁ』






信号が赤に変わってブレーキを踏む。


隣で龍友くんが動いたのが分かって

少しだけ横を見たら

思ったよりも近くに龍友くんがいた。



思わず正面に向き直っちゃった。






龍｢でもまぁ…俺との方が仲ええけどな｣






…ねぇ、わざと耳元で言うの？


周平と張り合うみたいなこと言われたら

勘違いしちゃうから、だめだよ。




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