桃色フィルター -数原龍友-

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『ねむーい…』


母｢寝ればいいでしょ〜｣


『まだ…今日は全部MV見てから寝るって決めたの…』


母｢そういえばお母さん帰ってくる時龍友くんに会ったよ｣


『何でお母さんが会ってんの！？ありえない！ほんとありえない！！』






わたしが会えなくてお母さんが会えてるなんておかしい。


日頃の行いじゃない？ってあくびしながら言って

寝室に入っていった。



良き行いをしている方だと思うんだけど…。




うちは母子家庭で

お母さんと2人暮らし。


友だちからはよく姉妹みたい、仲良いね って言われてる。

確かに何でも話しちゃう。


…というか、話さないといられない。



だから龍友くんのこともすぐ話した。


何だかんだ応援してくれるお母さんは優しいと思う。






『はぁ〜、やっと最新曲』






DVDを入れ替えようとしたら

ピコン、とLINEの通知音。






『はいはい、誰ですか〜。…龍友くん！？』






何の気もなしに画面見たら


" ベランダ出れる？ "


って…。






『出れる！！』


龍｢お〜、はや笑｣






窓開けてベランダに飛び出したら

まだ冷えるこの時期に半袖着てる龍友くん。



このマンション

ベランダのところあんまり気にしてなくて

お隣さんとの仕切りとかないの。


だから、こうやって近くで龍友くんとお話できる。






龍｢今の大学生はLINEの返事は直接言うのが流行っとるん？笑｣


『流行ってないよ！今のは嬉しすぎて飛び出してきちゃっただけで…！』


龍｢そ、笑｣


『今ね、BRAVE IT OUTから太陽も月もまでのMV見てたとこ！』


龍｢暇やなぁ｣


『わたしにとっては忙しい時間だよ』


龍｢この前もMV鑑賞〜♡とか言っとらんかった？｣


『この前は違うよ。ドキュメント見てたの』


龍｢見すぎやて笑｣


『だって龍友くんかっこいいんだもん…』






どんな時だって

龍友くんのことしか考えてない。



はぁ…、何でもない日に龍友くんとお話できるなんて幸せ。






『龍友くんは明日何してるの？』


龍｢トレーニング！｣


『また〜？しすぎだよ』


龍｢うそうそ、明日は仕事｣






龍友くん最近ジムばっかり行ってるから

いつか北斗の拳に出てくる人みたいになるんじゃないかってちょっと心配。






龍｢っしゃー、Aとも話したし寝るかー｣






おやすみ、と笑ってから

少し手を伸ばしてぽん、と頭に触れた。



…また、期待させるようなこと言う。


そういうとこ、ずるいよ。




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