アソビゴコロ 〜Wedding？〜８【川村壱馬】

少しでも ページ48

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反射的に返事をする
言葉にされてないのに何となく隣に来いって呼ばれてる気がして
立ち上がって壱馬先輩の横に来た

腕を下に引かれて柔らかなソファに体が沈む






壱｢疲れた｣


『ほんとに毎日お疲れ様です…！』


壱｢癒して｣


『え…と、』


壱｢ほら、早く｣






どことなく甘えたような表情で迫ってくる壱馬先輩は心臓に悪い
思わず視線を下に向けると
部屋着から覗く鎖骨が目に入り、更に鼓動が跳ねる

癒してって言われても
こんな時気の利いたことできないから困る

だって恥ずかしいことしか思い浮かばない
頭の中いつの間にかこんなにピンクな考えになっちゃったもん
全部壱馬先輩のせいだけど
そんなこと言ったらまたいじめられるのは目に見えてる






壱｢…A｣


『…っ、』


壱｢…は？｣


『下手かもしれないですけど、』






ちゅーしようか悩んだけど
いつも震えてうまくできなくて壱馬先輩に笑われちゃうから
たまには別路線から攻めようと思って壱馬先輩の肩を掴んだ

そう、行き着いた先は肩もみだ






壱｢…何なん？｣


『癒そうと…』


壱｢…お前が言ってたんじゃん｣






不服そうな顔をした壱馬先輩は
わたしの背中に腕を回してそのまま自分の方へ引き寄せた

わたしが言った？






『なにを？』


壱｢…こうすると疲れとかストレスがなくなるって｣






…あ、
前に何かで見かけた、ハグすると癒されて疲れとかがなくなるらしいって

わたしが何気なく言って壱馬先輩にしたこと
ちゃんと覚えててくれてるんだ

そう思うと愛おしくなって
胸がきゅーってなって
縋り付くように壱馬先輩の首に手を回した






『これじゃわたしが癒されちゃう』


壱｢だめ｣


『そんなこと言われても』


壱｢じゃあ、もっと俺が癒されることしてよ｣


『…1個しか思いつかないよ、』


壱｢やってみたら？｣






たぶん、わたしが何考えてるかわかってる
わかってて言う壱馬先輩はやっぱりいじわるだ

でもそんなとこが好き、好きなの

思い切って首筋にキスをすると
壱馬先輩の肩がピク、と震えた






壱｢お前…っ、そこじゃねぇだろ、｣


『だめでした…！？』


壱｢〜〜っ、何でもねぇ。好きにしろよ｣






染まった頬が目の端に映って
わたしまで恥ずかしくなってしまった

こういう時間を
今はただ少しでも長く感じていたいの




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