今だから言える話 ページ38
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テーブルに無造作に封筒を置いたまま
ソファの上で小さくなって泣き続けた
あれだけの努力を不合格の文字が全て壊した
面接が苦手だったのは分かってたはず
もっと頑張れた
落ちたってことは何かが足りなかったの
でも何が？
わたしがもっと…もっと要領が良かったら
泣きすぎて手足が痺れてきた
あ…、過呼吸、？
落ち着かなきゃ、大丈夫
落ちたって死にはしないから
『はっ…、うぅ…っ、ふ、ひっ、く…』
浪人、浪人ってどうしたらいいの
また落ちるかもしれない恐怖と戦いながら勉強？
乗り越えないと、夢には届かない
頑張らなきゃ、もっともっと
着々と夢を叶えてく壱馬先輩のそばにいられなくなる
『いや…、ちゃんとっ…、ちゃんとしないと…！』
頭が割れそう
痺れの次は頭痛に襲われる
壱馬先輩に捨てられるのだけは嫌
いや、いやだ…っ
壱｢A、！｣
最初は幻聴かと思った壱馬先輩の声
涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げて振り向くと
汗を滲ませた壱馬先輩がそこにいた
わたしと目が合うと
力強く、だけど優しく、抱きしめてくれた
『あ…、え…、どうし、』
壱｢…こんな状態のお前ほっとけるかよ、｣
『だっ…て、外出届…』
壱｢夜明けまでに戻れば何とかなんだろ。バレたら罰ぐらい受けてやるよ｣
『な、に言って…』
壱｢Aは頑張ったよ、頑張った｣
『…っ、』
壱馬先輩の温もりと
包むような柔らかい声で紡がれた言葉に
止まりかけてた涙がまた零れた
壱馬先輩にしがみつき、子どもみたいに泣いた
わたしが落ち着くまでずっと抱きしめて
頭や背中を撫でてくれて
服が涙で濡れるのも構わずにいてくれた
壱｢…落ち着いた？｣
『……はい、ごめんなさい』
壱｢別に謝ることねぇよ｣
『…ごめんなさい』
壱｢それ、何に対してのごめん？｣
何も言えなかった
壱馬先輩はそんなわたしをひょいと抱き上げ
いつものように自分の膝に乗せた
泣きすぎてひどい顔を見られたくなくて
すぐに下を向いて壱馬先輩の肩に顔を埋めた
壱｢…今だから言える話、してもい？｣
『…うん』
壱｢俺は、別に働かなくたっていいんじゃないかって思ってる｣
『……え、』
壱｢Aの夢なのは分かってる。もちろん応援もしてる。でも、俺が帰ってきた時に家にいてほしい｣
それは、初めて聞く壱馬先輩の本音だった
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つぇる - お久しぶりです^ ^本当に1番大好きな作品がまた読めることとても嬉しいです。やめないでいただいた事本当に嬉しいです。大変だと思いますがどうかゆっくりれもんさんのペースで書き続けてほしいです>_<応援してます。この作品と出会わせてくれてありがとうございます。 (2022年1月30日 18時) (
レス) @page35 id: 48c076a30b (このIDを非表示/違反報告)
かずみほ - おはようございます。11/7日以来毎週土日の更新を楽しみにしてるんですが、少し悲しいです。早くお話の続きが読みたいです。 (2021年12月19日 10時) (レス) id: 7f4f373820 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(??ω?? )(プロフ) - 主人公ちゃんの可愛さにメロメロ壱馬先輩ですね♡ (2021年10月10日 11時) (レス) @page48 id: e23f31558b (このIDを非表示/違反報告)
noona(プロフ) - 更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2021年9月12日 13時) (レス) id: 204a7d0311 (このIDを非表示/違反報告)
rii(プロフ) - ここ何日かで一気に読ませていただきました！壱馬の記憶がまた戻った所 昨夜読んでめちゃくちゃに泣いて今日目が凄く腫れてました笑 続きがほんとに楽しみです更新待ってます(^^) (2021年9月8日 19時) (レス) id: 22c06d6a15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2020年8月10日 2時
