アソビゴコロ 〜Wedding？〜８【川村壱馬】

死ぬまで ページ20

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ええい、もうこうなったら早々に目を閉じてやる
壱馬先輩がベールに手をかけたと同時に景色が見えないようにした

目を閉じたことによって聴覚が冴えて
布が擦れる音に妙にまた緊張してしまうけど
１回ちゅってしたらおしまい

想像ではロマンチックにできてたのに
実際にここに立つと想像通りにはいかない

さぁ、壱馬先輩今ですよ
きてください…！






『………ん？』






確かに壱馬先輩の気配はあるのに
一向に近づいてくる様子はない
ぱち、と目を開けると
何故か少しだけ拗ねたような顔

…え、え
なんで今？
わたし怒らせちゃうようなことした！？






壱｢…今｣


『いま？』


壱｢約束、したろ｣






や、やくそく…？
もしや、いや…もしやしなくても
今名前で呼べと？






『む…っ』






むり、と咄嗟に出そうになった声を必死に抑えた
壱馬先輩のお顔が更に むぅ ってなったから
むりって言っちゃだめ
だってあの壱馬先輩が呼んで欲しいってわたしに甘えてくれたんだもん

ありがとう、の想いも込めて
いくんだ熊城A…！

…いや、違う
川村A…だ






『か…ずま、』


壱｢ん？｣






震えて掠れた声だったけど
壱馬先輩はちゃんと聞き取ってくれた
だけど返事されるなんて思ってもなかった

ん？って、ん？って！！

キスするまでどんだけかかってんだよってみんな思ってるよ、絶対
今…思うことなんて、ひとつだよ






『…好き』


壱｢…俺も｣






そう言って一気に顔を近づけたと思ったら
壱馬先輩の唇が頬を掠めて耳元で止まった






壱｢…愛してる｣






酷く甘く囁いて
言われた言葉の意味を頭で理解する前に
唇が触れ合った

…やだな、ほんともう
いつまで経っても敵わない
きっと、死ぬまで
この人のこと好きになり続ける






『しあわせ…』






壱馬先輩が離れていって
ぽつりと呟いた本音

壱馬先輩にはしっかりと届いたみたいで
ふっ…とわたしの好きな顔で笑った




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