アソビゴコロ 〜Wedding？〜８【川村壱馬】

話は ページ16

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クリスマスからの日々はあっという間に過ぎていって
結婚式や披露宴の準備に追われてた

壱馬先輩は卒論をほぼ書き終えて
ほんの少しの修正を重ねて
終わってからの卒業までの日々も
ずっと一緒にいろんなこと考えてくれた

恥ずかしいことに
わたしは全然裕福じゃないから
なるべくお金がかからないようにって考えてたのに
壱馬先輩が こういう時のために使おうと思ってたから って
目ん玉飛び出そうな額を提示してくれた

元々お金持ちなのは知ってたけど
壱馬先輩自身、こんなに蓄えてたとは…ってびっくり






『何とか全部決まりましたねー…』


壱｢お疲れ｣


『もう壱馬先輩様々です。理想の結婚式になりそうです！』


壱｢…親も来てくれるしな｣


『…うん。ほんとに良かった』






壱馬先輩のお母様とわたしの両親には
直接招待状を渡しに行った

お母様は体調がいい日が続いてるから
ぜひ行きたいって言ってくれた
大事な息子の記念日だからって
壱馬先輩、うれしそうだったなぁ

わたしの両親は
まだ少しぎこちなさはあるけど
涙を浮かべて喜んでくれた






壱｢A｣


『ん？何ですか？』


壱｢…何でもない｣






何か言いたそうなのに
目を逸らしてそっぽを向いてしまう

追求したら うるせぇ って言われちゃうから
じーっと壱馬先輩の丸っこい後頭部を見つめてた
あー…、何だか見てたら触りたくなってきたなぁ…
鳥さんが住めそうなもふもふ感…かわいい…

そんなこと考えてたら
いきなり壱馬先輩が振り向いて目が合った
え、今の声に出てたかな！？

考えてる間に壱馬先輩がにじり寄ってきて
何言われるんだろって少し身構える
だけどどうやら声には出てなかったらしく
甘えるように腰に腕を回してきた






『か…ずませんぱい？』


壱｢…いつまで先輩呼びなん？｣


『ぁえ…っ、嫌でしたか…！？』


壱｢…いや、いいんだけどさ。なんか、結婚してんのになぁーって…思っただけ｣






首筋に壱馬先輩の唇が当たる
強くもなく弱くもない絶妙な力で抱きついて離れない
甘えた壱馬先輩の破壊力はとんでもない

かわいい、かわいいけど…
まさか呼び方気にしてたなんて、

そういえばユウちゃんにも言われたことがあった
呼び方変えようとしたけど
結局無理だったんだよ

でも本人に言われたとなれば…話は別だ




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