アソビゴコロ 〜Wedding？〜７【川村壱馬】

知らない ページ42

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先生じゃあね〜！っておしゃべりしてた生徒が手を振って帰って行く
前より懐いてくれる子が増えてうれしい

来週から始まる模擬授業の相談を橘先生にして
学習室でプリント作成
夢中になってたらいつの間にか20時を回ってて
部活終わりの生徒が まだ帰ってなかったのー？ って顔を出した






『もうこんな時間！？』


＊｢学校閉まっちゃうよ〜｣


『大変、ありがとう！』






後は家で仕上げれば…うん、大丈夫！
帰り支度をして学校を出た
壱馬先輩から連絡は来てなかったから
まだお家には帰ってないみたい

最近はゼミがどうのこうのって言ってたよね…
そうだ、卒論が大変だって話してたんだ！

金曜日だし、ちょっと高いお肉でも買って帰ろうかな
パソコンや資料の入った重いカバンを背負い直して信号待ち

ふと反対側の歩道沿いにあるファストフード店を見たら
壱馬先輩が真剣にパソコンと向き合ってるのを見つけた

え、え！！！
帰り道に壱馬先輩と会えるなんて夢！？
一回目を閉じてからもう一度見ても消えてない






『幻じゃない…』






壱馬先輩だ！
青信号が点滅してたから
走って横断歩道を渡る

窓の方見ないかな〜って覗いたら
壱馬先輩の向かいに何だか大人っぽい綺麗なお姉さまが座ってた

…うん？

ジーッと見てたら
壱馬先輩とそのお姉さまはどうやらお知り合いで
パソコンを2人で見ながら何かを話してる
2人の真面目な姿に 大学のお友だちかなぁ…と思ってたら
壱馬先輩がとっても可愛らしいお顔でお姉さまに笑いかけた

ズキン、

…痛い
胸が、胸の奥の方？が

今まで女の人は遠ざけてたのに
その人はどうして？
何か特別だった？

わたしの知らない壱馬先輩がそこにはいて
どうしても受け入れられなかった

…大丈夫だよ
帰ったら聞いてみればいい
見かけたんです、って
そしたらほんとのこと言ってくれる

ﾌﾞﾌﾞ…

ポケットの中でスマホが震えた
確認したら壱馬先輩からで
ちょっとだけ帰り遅くなる って

あ、れ…
帰って…くる…よね、？

壱馬先輩がふとこっちを見ようと顔を動かしたから
反射的に逃げ出した

よく分かんなくて、ぐちゃぐちゃして
息が苦しくて止まった時には
家の方じゃないことに気づいた

隣には公園があって
もしかしてって思って近くのマンション見上げたら






『星羽くん家…』






ぶんぶん、と頭を振って悪い考えを消した
いつも星羽くんに頼ろうとするの
ほんとに良くない




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