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温かみ ページ34

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『お手洗い行ってきますね』


壱「お〜」






ほんの少しだけ上擦った柔らかい声
その声に きゅーん としながら立ち上がる

今日はお酒飲みたいからって電車で来た
ほんとはわたしも免許取ればいいんだけど
壱馬先輩に お前は事故るから取らなくていい って言われる

帰りの電車人少ないといいな〜
あ、終電とか調べておかなくちゃ

そんなことを考えながら戻ったら
壱馬先輩が机に突っ伏していた






『壱馬先輩!?』






気持ち悪くなっちゃったのかな
お水持ってきた方がいい?

慌てながら近づいたら
慎くんが 大丈夫ですよ って笑った






慎「眠くなったらしいです」


『あ、なんだ…』


慎「ほら、樹さんも」






ふじふじは頬杖をつきながら
目を閉じてゆらゆら揺れている






『いっぱい飲んでましたもんね…』


慎「あ〜、いまだに俺に敬語使うんですか」


『あ、だめだなぁ。なんでだろ』


慎「何でもいいですけど。壱馬さんも樹さんも寝ちゃったし、おもしろいもの見せましょうか」


『なになに?』






慎くんは慣れた手つきでスマホを操作し
アプリを開いてフォロー中の中から
zuma.17 という名前の人を見せてきた






『だれ?』


慎「壱馬さん」


『へぇ〜、壱馬さ…んんん!?』






大好きな人の名前に過剰に反応して
慎くんの手からスマホを奪って凝視した






『壱馬先輩、SNSやってたんだ…。しかもフォロワーめっちゃいる…』


慎「最初は鍵つけてたんだけど、たぶん北人さんか翔吾さんに面白半分で鍵外されたんですよ。それでぶわーっと広がっちゃった」


『なんでわたしに言ってくれなかったんだろ〜…』


慎「今はもう使ってないんですよ。それより内容見てください」






慎くんに言われて画面をスクロールしていく
初めのうちは吉野先輩たちと遊びに行った場所とか
記録程度に投稿してただけだったけど
不意に自分が目に入ってきて
スクロールする指を止めた

投稿された日は
わたしが壱馬先輩の玩具になってから少し経った時

屋上のフェンスに掴まって下を見ている後ろ姿は完全にわたしで
" おもしろい玩具見つけた " と書かれていた

それからはうまくわたしの顔が見えない写真を載せて
アホで飽きない
単純バカ
ゲームの中だったらすぐやられるザコ
などという悪口ばかり書かれてたけど
全部温かみを感じる写真だった




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道のり→←久しぶり



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設定タグ:THERAMPAGE , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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ka - 最後のセリフ最高です、、泣 (2020年8月7日 2時) (レス) id: f02151f772 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます(; ;) (2020年8月2日 13時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 壱馬先輩に嫉妬するのに自分は男の子に頼るのダメよーーー( ; ; ) (2020年7月31日 2時) (レス) id: 4132465481 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 更新ありがとうございます(泣) 主人公ちゃんの気持ち、めちゃくちゃ分かりますー!!色々あったから、不安になっちゃうんですよね…。主人公ちゃんのモヤモヤが晴れますように。 (2020年7月26日 14時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
マンゴー(プロフ) - 今日の投稿おしまいですか?? (2020年7月26日 14時) (レス) id: 9c9baad857 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもん | 作成日時:2020年5月3日 17時

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