魔法 ページ20
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『決まったらまた教えるね』
母｢…A？｣
『ん、なに？』
靴を履き替えた所で名前を呼ばれた
壱馬先輩が先に外に出る
お母さんとお父さんは
真っ直ぐにわたしを見つめていた
母｢わたしたち、壱馬くんのおかげで目が覚めて…。今とても幸せよ｣
父｢Aは本当に素敵な人に出会えたな。…嫌な思いばかりさせてきたから、人生で一度の結婚式くらい…たくさんわがまま言っていいからな｣
『…うん』
母｢わたしたちはずっとずっと…Aのことが大好きよ｣
ありがと、またね！ と早口で言って
玄関のドアを開けた
パタン、と閉じたと同時に涙が滲む
幸せな家族の姿が
わたしはいまいち分からないけど
今のお母さんとお父さんとなら
一緒に住んでも
寂しくなったりしないのかな
壱｢…誰も見てない｣
スポ、とわたしにヘルメットを被せる
壱馬先輩はそっぽを向きながらも
しっかりと手を繋いで引っ張ってくれた
…素敵な人、ね
うん、そうだね
わたしにはもったいないくらいの
この世でいちばん素敵な人だよ
壱馬先輩のお母様の病院に着いた時には涙も引き
ヘルメットを外して乾いた涙のあとを拭いた
壱｢…今日はどうだろうな｣
『会えたら、いいですね…』
お母様はまだ安定したわけじゃない
その日の調子によって
壱馬先輩に会えるか会えないかが決まる
それほど心に負った傷が深かった
わたしも今回の事故で壱馬先輩を失ってたら…
入院するくらいになってたのかな
" しなせて "
星羽くんにとんでもないことを頼んだのを思い出して身震いした
こわくなって、前を歩く壱馬先輩の服を掴んだ
壱｢…ん？どうした？｣
『あ…、なんでもないです、』
壱｢…そ｣
壱馬先輩がそこにいることを感じたかった
何も言ってないのに
頭をポンってしてくれて
それだけで体から恐怖が抜けていく
…魔法使い、だね
看｢今日は朝からとっても元気なの。だからきっと壱馬くんとも会えるよ｣
お母様についてくれてる看護師さんがにこやかに言った
確認してくるね と病室に入っていく
壱馬先輩、緊張してる
わたしも…魔法使いになる…！
手を伸ばして、壱馬先輩の頭に触れる
壱｢…なに？｣
『魔法使おうと思って…』
壱｢…ついにここまで頭おかしくなったか｣
頭おかしくなった…って、ひどい！！
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ka - 最後のセリフ最高です、、泣 (2020年8月7日 2時) (
レス) id: f02151f772 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます(; ;) (2020年8月2日 13時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 壱馬先輩に嫉妬するのに自分は男の子に頼るのダメよーーー（ ; ; ） (2020年7月31日 2時) (レス) id: 4132465481 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 更新ありがとうございます(泣) 主人公ちゃんの気持ち、めちゃくちゃ分かりますー！！色々あったから、不安になっちゃうんですよね…。主人公ちゃんのモヤモヤが晴れますように。 (2020年7月26日 14時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
マンゴー(プロフ) - 今日の投稿おしまいですか？？ (2020年7月26日 14時) (レス) id: 9c9baad857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2020年5月3日 17時
