当たり前だろ ページ17
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その日の夜、壱馬先輩は行き先を告げずにわたしをバイクに乗せて走ってた
バイク乗るから浴衣は断念したけど
しっかり花火は持ってるから
花火ができる場所に連れてってくれてるんだろうなぁって
幸せに浸りながら壱馬先輩にくっついていた
感じる夜風に潮の匂いが混ざってきたと思ったら
星空の下で光り輝く海が見えた
まさか、砂浜で花火！？
わぁ、懐かしいな
海の家手伝った時にもBBQして、花火したなぁ
あの時、壱馬先輩のことたくさん怒らせたっけ…
思い出に浸ってたらバイクが止まった
ヘルメットを取って髪の毛整えてたら
ぶっきらぼうに伸ばされる手
無表情でわたしに伸ばされる手は
わたしが掴むまで待っててくれる
夜、星空、海…
最高のシチュエーションの中の壱馬先輩を見つめてたら
眉間にシワを寄せてから なに と声を出す
『王子様みたいです』
壱｢…腕疲れた。置いてく｣
『あぁっ…、ごめんなさい。降ります…！』
モタモタしてたら
ひょいっとほんとの王子様みたいに
わたしをお姫様抱っこしてくれた
余りのかっこよさに息が止まる
壱｢…まじで痩せたな。大丈夫かよ｣
『だ、じょぶ…』
壱｢もっとぷよぷよしてた方が好き。軽すぎてつまんねぇから今度うまいもん食わしてやる｣
早口で話すのは、きっと照れてるから
チラホラと人がいるのに
お姫様抱っこしたまま歩いてくれる
恥ずかしいはずなのに
あんまりこういうの好きじゃないのに
『わたしの、ため…』
壱｢ん？｣
『…ううん、好きだなぁって』
壱｢…降ろす｣
『なんで！？』
結局降ろされて砂浜に来た
建てられた看板には 花火禁止 と書いてある
ショックで声も出せずにいたら
壱馬先輩が こっち と腕を引いた
ちょっと危ない岩の上を進んだら
誰もいない小さなスペースがあった
壱｢ここならバレねぇだろ｣
『…どうしてこんなとこ知ってるの？』
壱｢学校サボった時に来たことあんだよ｣
『あ〜、不良だった時…』
壱｢は？｣
『…すみません』
それにしてもこんな素敵なところ来たの初めて
壱馬先輩はいろんな景色を見せてくれるなぁ…
ガサガサって袋を開ける音が聞こえる
横を見たら
壱馬先輩が花火の準備してくれてた
『わたしもやります』
壱｢当たり前だろ｣
『…ふふ』
壱｢…なに｣
『んー？壱馬先輩だなぁって思って』
何気ない会話も、こんなに幸せなことだったね
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ka - 最後のセリフ最高です、、泣 (2020年8月7日 2時) (
レス) id: f02151f772 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます(; ;) (2020年8月2日 13時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 壱馬先輩に嫉妬するのに自分は男の子に頼るのダメよーーー（ ; ; ） (2020年7月31日 2時) (レス) id: 4132465481 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 更新ありがとうございます(泣) 主人公ちゃんの気持ち、めちゃくちゃ分かりますー！！色々あったから、不安になっちゃうんですよね…。主人公ちゃんのモヤモヤが晴れますように。 (2020年7月26日 14時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
マンゴー(プロフ) - 今日の投稿おしまいですか？？ (2020年7月26日 14時) (レス) id: 9c9baad857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2020年5月3日 17時
