秘められた恋が叶うまで２【G's】

本物の恋 ページ15

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仕事を早く切り上げて来た、と言う涼太くんには
とっても悪いことをしたと思ってるけど
今の亜嵐くんから逃げるにはこれしかなかった






涼｢…亜嵐くんと何かありましたって顔に出すぎ｣


『亜嵐くんは…何も悪くない』


涼｢じゃあ、何？｣


『わたしが…』


涼｢ん？｣






龍友くんに会いに来たというのに
怒らないでわたしに付き合ってくれる涼太くんは優しい人だ

さすが婚約してるだけある
こんなに素敵なんだから
彼女がいて当たり前

…亜嵐くんにだって、いたっておかしくない
わたしじゃなくなって
亜嵐くんに似合う女の人、たくさんいる

わたしが、ひどい人間だから
亜嵐くんを信じられない、ひどい人間だから

亜嵐くんの気持ちを正直に受け取ろうとしないで
逃げ道を作ってしまう

どんな理由があろうと
一度は親に捨てられた身
その悲しみは癒えなくて
突然わたしの心を冷たくさせる

もし、亜嵐くんに捨てられたら？
素直になって、信じたとしても
その先に必ずしも幸せが待ってるとは限らない

ひねくれてる、曲がってる
わかっていてもこわいものは…こわいの






涼｢…よく分かんないけど、考えすぎなんじゃないの｣


『考えすぎ？』


涼｢Aちゃんはさ、俺らにぶつかってきてくれるじゃん。真正面から。玲於とか隼、救われてると思うよ｣






もちろん俺もね と
大きな目を細くして微笑む






涼｢偽りのない言葉だから、響くんでしょ？ごちゃごちゃ考えて濁った言葉は届かないよ｣


『…どういう意味？』


涼｢亜嵐くんとのこと深く考えすぎずに、聞いたこと、見たものだけを信じてあげたらいいんじゃないの｣


『聞いたこと、見たもの…』


涼｢亜嵐くんはいつでもAを想ってるよ。それはもう、見てて恥ずかしくなるくらい｣


『…、』


涼｢あんなに素直で真っ直ぐな人、なかなかいないよ｣






涼太くんの言葉に
今までの亜嵐くんとの思い出が蘇る
亜嵐くんが言うこと、することは
必ずわたしを守るため、わたしを笑顔にするためのもの

…わかってるのに、心が言うこと聞かないの






涼｢まぁ、でも…焦らんでええからな｣


『…うん』


涼｢環境変わって大変なのはAちゃんだし、亜嵐くんもそこは理解してると思うから｣


『…うん、』


涼｢最終的には、亜嵐くんとAちゃんが本物の恋をして、くっついてくれたらええなぁーって思っとるよ｣






本物の恋、かぁ
裕太くんへの気持ちは、どうだったんだろう




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