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存在 ページ13

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亜「ごめん、A。待たせた…よ、ね…」






しゃがみこんで俯いてるわたしに
きっと亜嵐くんは驚いてる
心配して駆け寄ってきてくれること
うれしいはずなのに

うれしいん…だよ

だけど、心の中の何かが埋まらないの
穴が空いてるみたいに
冷たい風が吹くの

原因、わかってる
裕太くんに言われたくなかった






亜「…A、?」






顔を上げたら
これでもかってくらい眉を下げて
いつもの亜嵐くんからは想像できない顔をしてた

ぎゅ、と胸が痛む

…わかってる
埋まらない何かは、亜嵐くんへの信頼だ

こんなにも優しくしてくれるのに
わたしを守ろうとしてくれるのに
心のどこかで
それはきっと
わたしがいることで亜嵐くんにメリットがあるからなんじゃないかって

そう思ってるの

どうしたって亜嵐くんはαで
わたしは利用される立場のΩで
それはもう変えられない事実

亜嵐くんの力が唯一効かない存在のわたし
わたしが近くにいれば
亜嵐くんが暴走することもない

それは、亜嵐くんが望んでること
自分の力を使いたくない、抑えたいって
だからわたしが必要なんじゃないかって

最初はそんなこと気にしてなかったのに
今、亜嵐くんがわたしを必要としてる理由が
好きだから じゃないんじゃないかってことが
こんなにも、苦しい






『…龍友くん、平気そう?』


亜「え、あ…、うん。やっぱり普段抑えてる力が出ちゃって怪我したって、」


『そっか。でも、平気なら良かった』


亜「一応明日まで検査入院だって。隼とメンさんは玲於が来るまで残るらしいけど…、Aはどうする?」


『…帰ろうかな。ちょっと疲れちゃった』


亜「じゃあ、俺も…」


『亜嵐くんは…!佐野さんたちと、帰ってきて』






裕太くんは結局、龍友くんの顔を見ずに仕事に戻った
今はいないのに
裕太くんの言葉が頭から離れなくて
うまく笑えなくなっちゃった

亜嵐くんといたくないわけじゃない
ほんとは一緒に帰ってきて欲しい
だけど、Ωのわたしが好きなのであって
人間としてのわたしを好きじゃなかったら?
Ωじゃなかったら…いらなかった?

そんなことを考えてしまう自分が、嫌すぎる

前みたいに
何でもかんでも亜嵐くんにポンポン聞けないよ
それはきっと、わたしの中で

亜嵐くんの存在が大きくなってしまったからだね




.

中途半端なまま→←好きじゃない



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設定タグ:GENERATIONS , 白濱亜嵐   
作品ジャンル:恋愛
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花恋(プロフ) - いつかの更新再開をお待ちしてます! (2021年11月29日 4時) (レス) @page25 id: e938aee02d (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - この作品、とっても大好きで何回も読み返してます!更新大変だと思いますが、ゆっくりでもいいので続きを読めるのを楽しみにしてます…! (2021年3月16日 12時) (レス) id: 0d994b7081 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - れもんさんの勿忘草が揺れる頃、の作品が占いツクールでの、初めて読んだ作品でした!(3月に読みました)本っっ当に大好きです! (2020年4月22日 20時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - れもんさんだー!!めっちゃれもんさんの作品大好きです!感情移入しちゃいます!更新待ってます!ゆっくりで良いので! (2020年4月22日 20時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぴ(プロフ) - 初めまして!どの作品もすごく好きです!続き気になります、、、!更新お待ちしております、、! (2020年4月21日 10時) (レス) id: e192feb3cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもん | 作成日時:2019年12月26日 13時

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