ありがとう ページ1
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*「チッ…、中務裕太か…!」
裕「…殺されたくなかったらはよ行け、クソが」
柑橘系の香りが、ずっと鼻をくすぐってる
心が震えてるのがわかる
なんだかこわくて
ギターを力いっぱい握りしめた
裕「…家、入ろ」
『どうして、裕太くんが…』
裕「細かいことはあと!寒いやろ、早く」
家に入って、リビングのソファに座る
裕太くんはいつ怪我に気づいたのか
救急セットを持ってきてくれた
裕「どうせなんかの能力持てんなら、治癒能力とか欲しかったわ」
『裕太くん…』
裕「…Aちゃんにちゃんと話さなあかんなって思ってて、たまたまさっき帰ってきた隼に会って、Aちゃんリビングにおるって言うから行ったねん」
『うん、』
裕「でも、おらんくて。電気ついてるし、キッチンでなんかしてたっぽいし、変やなって思ってとりあえずいろんなとこ触りまくった」
『能力、使うため?』
裕「うん。そしたら玄関で飛び出してくAちゃんが見えて、こんな夜に何やってんねんって行ってみたらあんなことになってた」
『そう、だったんだ…。こめんなさい、』
裕「こういう時は ありがとう やろ?」
少し照れくさそうに言った裕太くんは
頬の傷を消毒してくれた
裕太くんが来てくれなかったら
あの変な人に連れてかれてたのかな
あの人、みんなが特別なαで何してるのかも知ってた
有名な人たちなのは知ってたつもりだったけど
わたしがΩとしてここに迎え入れられたことも知られてるんだ
そう思うと、亜嵐くんが 一人にならないこと って
言い続けてきたのも頷ける
裕「え、服切れてるやん。もしかしてここも?」
『二の腕…、うん。ここは大丈夫。自分でできるよ』
裕「でも、利き腕の方やん。俺やるで」
袖をまくって、二の腕の方まで消毒してくれた
手当てされて初めて、ほんとに怪我したんだって気づく
裕「かわええ顔に傷つけられたなんて知ったら、亜嵐くん怒るやろなぁ。龍友くんもめっちゃ怒りそう」
『ふふ、亜嵐くんはわたしが何とかするから龍友くんは裕太くんが何とかしてね』
裕「…うまくいったん?亜嵐くんと」
まだ誰にも報告してない亜嵐くんとのこと
何となく
一番初めに伝えるのは佐野さんかなぁ、なんて思ってた
でも、嘘を言う必要はないから
裕太くんの目を見て頷いた
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花恋(プロフ) - いつかの更新再開をお待ちしてます! (2021年11月29日 4時) (レス) @page25 id: e938aee02d (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - この作品、とっても大好きで何回も読み返してます!更新大変だと思いますが、ゆっくりでもいいので続きを読めるのを楽しみにしてます…! (2021年3月16日 12時) (レス) id: 0d994b7081 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - れもんさんの勿忘草が揺れる頃、の作品が占いツクールでの、初めて読んだ作品でした!(3月に読みました)本っっ当に大好きです! (2020年4月22日 20時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - れもんさんだー!!めっちゃれもんさんの作品大好きです!感情移入しちゃいます!更新待ってます!ゆっくりで良いので! (2020年4月22日 20時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぴ(プロフ) - 初めまして!どの作品もすごく好きです!続き気になります、、、!更新お待ちしております、、! (2020年4月21日 10時) (レス) id: e192feb3cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2019年12月26日 13時