涙 ページ6
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ぽろぽろと音もなく流れた涙
目の前から婚姻届がなくなる
壱｢…別に今すぐじゃなくていいけど｣
『…っ、』
壱｢俺は、前から…お前が高校卒業したら、って思ってて｣
『……、』
壱｢…お前、すぐふらふらどっかに迷子になるから、ちゃんとした…繋がり、欲しくて…｣
『…っ、かずまっ、せん、ぱ…！』
壱｢Aは俺じゃないと一緒にいれないし、俺も…Aじゃないと一緒にいれないから、｣
『…ふぇ、ぐすっ、！』
壱｢今すぐ決めろって言わない、から。…俺と結婚しよ｣
優しく全身に染み渡る壱馬先輩の声が
夢じゃないんだって思い知らせてくれる
だって、結婚って、すごく大切なもので
決めるのに時間がかかることだよ？
いつ、結婚のことなんて考えてくれてたの
忙しかったはずなのに
わたし迷惑ばっかりかけてきたのに
止まらない涙を拭いもせずに
後ろにいる壱馬先輩の方を見た
そしたら、優しい優しい瞳がわたしを映してて
涙で濡れた顔を見て、柔らかく微笑んだ
そしたらまた涙が溢れてきて
壱馬先輩の姿が滲む
壱｢それ、なんの涙なの｣
『うれっ…しっ、と…！びっ、く、し…』
壱｢あ？何言ってんのかわかんねぇ、笑｣
泣くことしかできないわたしの隣に来て
何も言わずに涙を拭ってくれる
『かず、まっ、せんぱい…っ？』
壱｢…ん？｣
『わた、し…経済的、にも…っ、精神的にも、劣るとこ…っ、ばっかり、ですけど…っ、』
壱｢そんなん百も承知だっつの。何のためにあんなにバイトばっかしてたと思う？｣
『お金…っ、欲し、から…っ？』
壱｢…ばーか。お前を守るのに困んなくするためだろうが｣
むに、と頬を引っ張られる
おかしいと思ってた
元からお金あるのにバイトするの
わたしのためだったってこと…？
『かっこよ…すぎ、ますぅ〜っ…！』
壱｢…Aにだけなんだよ｣
『…、？』
壱｢こんなに、誰かのために何かしてやりたいって、思うの｣
『そ、れは…っ』
壱｢一生、お前だけ｣
頬を引っ張っていた手は
いつの間にか頬を包んでくれていた
だんだん近づいてくる壱馬先輩の顔
まるで時間が止まったみたい
壱馬先輩の息遣いしか聞こえない
世界にわたしと壱馬先輩だけしかいないんじゃないかって
思わず錯覚してしまう程
幸せすぎる、時間
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みんと(プロフ) - もうほんと毎回毎回泣かされてます、、！かっこよすぎる（ ; ; ） (2019年11月15日 1時) (
レス) id: 4132465481 (このIDを非表示/違反報告)
はに(プロフ) - 死ぬまでこの作品をみていたい…ほんとに毎回きゅんきゅんします、、、 (2019年11月11日 17時) (レス) id: cd2940d90c (このIDを非表示/違反報告)
24harut24(プロフ) - れもんさん、いつもいつも本当に幸せをありがとうございます（ ; ; ）移行しても読み続けます最後の最後の最後まで読み続けます（ ; ; ）れもんさんのお話、本当に大好きです！！ (2019年11月10日 19時) (レス) id: 38cd80c6fd (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - もうもうキュンキュンが止まりません(T^T)壱馬先輩もきゅまちゃんも大好きです！ (2019年11月10日 12時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
あやちん(プロフ) - うっわー。もぅドキドキ！！やばいですほんと！！なんですか壱馬先輩！！はぁー泣ける！！ (2019年11月9日 23時) (レス) id: 070cdb389c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2019年9月14日 17時
