アソビゴコロ 〜Wedding？〜４【川村壱馬】

バカなこと ページ29

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いちばん最初に岩谷先輩
公園でピクニックっていうかわいいデートだった
最後の告白は岩谷先輩らしい少し控えめな優しい言葉
壱馬先輩が言ったら笑っちゃうな、なんて思いながら
相手役としての返事をした

吉野先輩は安定の星空デート
ほんとに星好きだなぁ、って思わず笑っちゃったのに
あ、笑ったーって拗ねたフリして
かわいい〜！ってお客さんに言われてた

最後から2番目の人
えーっと、永瀬さん
この人が終われば壱馬先輩、壱馬先輩だ…って思って
永瀬さんが考えてきたお家デートをしてた

すごいぴったりくっついてくる
壱馬先輩がいいのにな






永｢このままずっと一緒にいたいなぁ｣


『うん、そうだね』


永｢ほんとに大好き。ずっとずっと大好き｣






永瀬さんがまっすぐ目を見てわたしに言う
大好き、って壱馬先輩に最後に言われたのいつだろう

別に毎日言って欲しいわけじゃない
だけど、やっぱり言葉にしてほしい気持ちはある
好きよりも大好きの方がうれしい

あれ、だんだん壱馬先輩に見えてきた
壱馬先輩がわたしを見て 大好き って
こんなにたくさんの人の前で言うわけないのに






『わたしの方が…大好き…』






無意識に零れた言葉は
たった1人に向けられた言葉

わたしの膝に置かれてた手を取って
目を閉じて自分の頬にくっつける
いつも壱馬先輩の手は少し冷たくて
意外とちっちゃくて
なんだかかわいらしいんだ

わたしはこんなに壱馬先輩が好きなんだ
だから、不安に思う前に頑張らなくちゃ

目を開じたまま、壱馬先輩を想って
もう一度 大好き… と呟く

ふともう片方の頬にも手の温もりを感じた
ん、？と思って目を開けたら
永瀬さんの顔がすぐ近くにあった

…え？
待って、壱馬先輩のこと考えすぎて
目の前にいる人が永瀬さんだって忘れてた…、！
この体勢、まさかキスしようとしてる！？

逃げなきゃ、

そう思った瞬間、優しいけど少し強引に
顔を後ろに向けられた

大好きな匂いが鼻の奥をくすぐって
大好きな温もりが胸の奥に広がる






永｢なっ…、｣






お客さんは突然のことに大盛り上がり
唇が離れて目が合えば
どこか怒ってて寂しそうな瞳が見えた






『壱馬先輩…？』


壱｢俺以外見んな、触らせんな。お前は俺だけのもんだろ？｣






わたしがバカなことしたから
壱馬先輩、止めに来たんだ

これ考えてきたセリフじゃない
ほんとにわたしに言ってる言葉




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