香水 ページ14
壱馬side.
うれしそうな顔したまま、メニューに視線を落とし
うーんって悩んでる
…はぁ、なんでこいつってこう、
やること全部小動物みたいなんだろ
思ってること口に出るし
今だってハンバーグとオムライスで悩んでんの声に出てる
悩むものもおこちゃまで呆れることばっかりだけど
どうしてこんなに、愛おしくなるんだろう
『壱馬先輩…』
壱｢決まった？｣
『おすすめ、なんですか？』
壱｢…おすすめは本日のパスタでございます。お客様がお好きなトマトをふんだんに使ったものになっております。更にセットでこちら2種類のスープからお好きな方つけられますので、良かったらどうぞ｣
『…〜〜っ、！』
壱｢…なんでしょうか｣
『…かっこよかったのでもう一度お願いします』
壱｢…もう行くわ｣
『うそうそうそ！それ、それにしますのでもう少し！』
壱｢ふはっ…、それにしますのでってなんだよ｣
制服の腕の裾を掴み
行かないで、って目で伝えてくる
こっちはバイト中なんだっつーの
ちら、と厨房の方を見たら
陣さんがものすごい圧でこっちを見てた
あー、怒られるな
小さく陣さんに頷いて、Aに向き直る
不思議そうな顔をしてるAの目を見つめて
小さく呟く
壱｢いつになったら甘えた卒業すんの？｣
『あ、甘えてないです…』
壱｢じゃあ、何この手。バイト中に困んだけど｣
『あっ、ごめんなさ…』
眉を下げて、慌てて手を引っこめる
俺の顔から視線が外れたその時に
持ってたトレイでうまく俺とAの顔を隠してキスしてやった
いる客からは死角だし
バイトの人たちに見られても別にいい
ほんの少しだけ触れるキス
それでもAの動きは止まる
驚いたように俺を見るAに
もう一度だけ ちゅ、とキスした
壱｢満足ですか、お客様｣
『……い、です』
壱｢え？｣
『足りない…です』
壱｢…っ、｣
抑えられなくなりそうだった気持ちを止めるために離れた
壱｢…煽んな、あほ｣
染まった頬
一瞬で潤んだ瞳
濡れた唇
全部が俺を煽るには十分だったけど
これ以上サボったら力矢さんにチクられる
帰ったら何してやろうかな
そんなことを考えながら
厨房の方にオーダーを通しに行こうと思った時
ふと香ったAじゃない匂い
たぶん男物の、香水
…どういう、ことだよ
.
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みんと(プロフ) - もうほんと毎回毎回泣かされてます、、！かっこよすぎる（ ; ; ） (2019年11月15日 1時) (
レス) id: 4132465481 (このIDを非表示/違反報告)
はに(プロフ) - 死ぬまでこの作品をみていたい…ほんとに毎回きゅんきゅんします、、、 (2019年11月11日 17時) (レス) id: cd2940d90c (このIDを非表示/違反報告)
24harut24(プロフ) - れもんさん、いつもいつも本当に幸せをありがとうございます（ ; ; ）移行しても読み続けます最後の最後の最後まで読み続けます（ ; ; ）れもんさんのお話、本当に大好きです！！ (2019年11月10日 19時) (レス) id: 38cd80c6fd (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - もうもうキュンキュンが止まりません(T^T)壱馬先輩もきゅまちゃんも大好きです！ (2019年11月10日 12時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
あやちん(プロフ) - うっわー。もぅドキドキ！！やばいですほんと！！なんですか壱馬先輩！！はぁー泣ける！！ (2019年11月9日 23時) (レス) id: 070cdb389c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2019年9月14日 17時
