秘められた恋が叶うまで【G's】

なかつかゆうたさん ページ7

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隼｢裕太くん、せめて着替えろよー｣


『…』


隼｢あ、適当に座って｣


『あ、の…この方は…』


隼｢それも含めて説明するからとりあえず座って笑｣






隼くんが言うには
わたし、黒崎Aは
葉子さんから聞いた通り正真正銘のΩ

ここに住んでるのは7人
隼くんも含めて全員α
しかもみんながみんな何かしらの能力を持ってる
特別な、一目置かれたαたち
αだから、っていうのが嫌な人たちで
普段はβと同じような生活をしてる
メンバーは

白濱亜嵐…陸上選手
片寄涼太…パティシエ
数原龍友…大工
小森隼…ギタリスト
佐野玲於…大学生(就活中)
関口メンディー…ヒーローショーの悪役
中務裕太…駆け出しAD

世間からは『新世代の人たち』って意味で
『GENERATIONS』って呼ばれてるらしい

一応、大家が白濱亜嵐さん
白濱亜嵐さんが帰ってきたら
またいろいろ聞かなきゃいけない






隼｢ざっとこんな感じかなー。ソファにいるのが駆け出しADね｣


『なかつかゆうた…』


隼｢そうそう、なかつかゆうた笑｣


『この人もα…』


隼｢みんなAちゃんの事情は知ってるから。無闇に手出したりしないし、ちゃんと守るから。安心して。あ、薬のこと言わなきゃ｣






待ってて、とリビングに
なかつかゆうたさんと2人にされる
寝てるとはいえ、知らない男の人とふたりきり

横目に映るなかつかゆうたさんが
いきなり もぞ、 と動いた

視線を感じて恐る恐る目をやると
眠そうなちょっと目つきの悪い感じでわたしを見てた
じーって見た後、勢いよく鼻を啜って
小さな声で一言






裕｢あっま、｣






あっま…？

発した言葉の意味に戸惑ってたら
ずるり、とソファから降りて
そのままわたしの方に這ってくる

まるでゾンビ

異様な光景に動けずにいたら
ラグに座ってたわたしの膝の上に頭を置き
また小さな声で一言






裕｢つかれた…あまい…うまそう……｣


『………へ？』


隼｢あぁぁぁ！ちょちょちょ、ゆーたくん！｣






固まるわたしの上からなかつかゆうたさんをどかしたら
また死んだように眠ってた

ね、寝ぼけてただけ…？






隼｢ごめん！仕事で疲れすぎてたんだと思う笑｣


『うまそうって言われた…』


隼｢え？｣


『あまい、うまそう…って』


隼｢Aちゃんのフェロモン甘いからじゃない？これフェロモン抑制剤。1日3回忘れないで飲むこと！｣






フェロモンって、甘いんだ
それにしてもなかつかゆうたさん、驚きだ




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