ある香り ページ49
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近くのゴミ収集所
そこに隼くんのギターは
そっと置かれていた
急いでほこりとか砂を払って
ぎゅ、とギターを抱きかかえる
絶対…だめ
隼くんの夢、諦めちゃだめ
でも、どうやって隼くんを説得したらいい?
何が起きたか知らないわたしに、何ができる?
自分の力で何とかしたいのに
結局亜嵐くんに頼ってしまった
…守られるだけのΩなんて、
何も存在価値がないのに
『今の…亜嵐くんに言ったら怒られそ』
隼くんが寝た頃に
バレないように部屋に戻そう
そう思ってギターを持ち直して
家に帰ろうと思った時
前から犬の散歩をしてる人が歩いてきた
こんな時間に…
一人暮らしで、仕事とかが忙しかったら
仕方ないのかな
深くフードを被っている姿は少し不気味で
早くその場を離れようとした時
犬が足元に駆け寄ってきた
*「すみません…」
『あ、いいえ…。かわいいわんちゃんですね』
*「ありがとうございます。あなたも、随分かわいいお顔をしてらっしゃる」
『え?いや、そんなこと…』
*「一人にさせるなんて、G'sの皆さんもツメが甘いですねぇ」
『…?』
*「さぁ、一緒に行きましょう」
ピリ、と頬に電気が走ったような痛み
触ってみたら指に血がついて
フードの人の手には小ぶりなナイフがあった
切ら、れた、、?
『ぃ、やっ…!』
逃げようとしたのに
ギターの持ち手を掴まれて引っ張られた
*「これは、小森隼のものですね?」
『離して…っ!』
*「ギタリスト、でしたっけ。誰もが羨む能力を持ってるくせに将来性のない職を選ぶなんてαも地に堕ちましたねぇ」
『…っ、バカにしないで!』
隼くんのだけは、何がなんでも守らなきゃ
そう思って引っ張り返した時
二の腕にナイフが当たった
また、電気が走ったような痛み
*「綺麗なまま持ち帰りたいのに…あまり抵抗しないでくれますか」
『嫌、!』
*「Ωのくせに生意気な、」
フードの人は思い切り腕を上にあげた
思わず身構えたけど
ナイフが向かった先はわたしではなく
隼くんのギター
『やめて!』
目を閉じてギターを抱きしめる
その瞬間、風に乗ってある香りが舞ってきた
*「いっ…!」
痛そうな声を出したと思ったら
理解する間もなく舞ってきた香りに包まれる
どうして、
どうしてあなたが助けに来てくれるの…?
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かれん - 更新される度めちゃくちゃドキドキしながら読んでます!!!DREAMERSのMVに合わせてるからイメージがめちゃくちゃ湧いて想像しやすくなってるし読みやすいうえにキュンキュンして面白いなんて本当にれもんさん最高すぎます(;_;)更新頑張ってください!! (2019年12月25日 13時) (レス) id: 53557cb99f (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - 今読んでる中で一番好きです(;_;)更新楽しみにしています! (2019年12月22日 3時) (レス) id: 877e115ef9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - この作品、今更新されてたら嬉しいやつナンバーワンです!笑忙しいとおもいますが、更新頑張ってください! (2019年12月16日 19時) (レス) id: 399774dd20 (このIDを非表示/違反報告)
ぐーりん(プロフ) - 初めまして!こういう作品待ってたんです…最高すぎて大好きすぎます!更新楽しみに待ってます、がんばってください! (2019年11月15日 11時) (レス) id: 28842cd990 (このIDを非表示/違反報告)
はいこ(プロフ) - うわぁ、、好きです、最高です....!更新楽しみです! (2019年11月6日 4時) (レス) id: 9cb57260f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2019年9月9日 17時