秘められた恋が叶うまで【G's】

ぶさいくなうさぎ ページ33

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いちばん下の階に来たら
フードコート？っていう場所に来て
見たことないお店がたくさん並んでた

おいしそう、とは思うものの
カバンは亜嵐くんが持ってくれてるから
お財布がない

…亜嵐くん、どこいるんだろ

自分で離れたくせに寂しくなって
フードコートの端っこの席、ひとりで座った

前まではひとりで過ごすのなんて普通だったのに
あの家に来てからひとりでいることが寂しくなった

ひとりでテレビを見ても
ひとりでゲームをしても
何も楽しくないの

みんながいるから楽しい

そう気づいてしまったら
前のわたしには戻れない






亜｢あ、みーつけた｣


『…っ！？』






片手にショッパー持って
何ともない顔してわたしの頭に手を置いた






亜｢なんかいいのあった？｣


『…見てないからわかんない』


亜｢え、お店見るんじゃなかったの？｣


『亜嵐くんのせいで…見れなかったよ』


亜｢俺のせい？笑｣






わたしの向かいの席に座って
また頬杖ついてじっと見てくる

見透かされてるみたい
大人な雰囲気を出す亜嵐くんに負けそうになる






『亜嵐くんは、プレゼント買えてよかったね』


亜｢うん。あれ、俺プレゼントだって言ったっけ？｣


『言ってないけど…女の子ものだったから、』


亜｢ほぉーほぉーほぉー！なるほどね｣


『…なに、その顔』






変な顔して、でもなんかうれしそうで
手を伸ばしてわたしの頭を撫でた






亜｢妬いちゃった？｣


『なん、』


亜｢プレゼント、あげる｣






持ってたショッパーから包装された包み出して
わたしに差し出す
受け取らずにいたら Aにだよ って言うから
恐る恐る、受け取った






亜｢試着して欲しかったのにいなくなるから悩んじゃったよ｣


『なんでわたしに？』


亜｢なんでもない日のプレゼントが効果的って聞いたから｣


『…単純』


亜｢そのくらい好かれたくて必死なの｣






形のいい眉を潜めて
ちょっと怒ったように唇を尖らせた

…そっか
さっきの黒い塊はヤキモチだったんだ

勘違いだって分かったら
何だか笑えてきて
素直に ありがとう って言うことができた






亜｢家帰ったら着てみてね。なんか食べる？｣


『たこ焼き！食べたい』


亜｢いいセンスしてますねぇー笑｣






たこ焼き食べて
ゲームセンターでぶさいくなうさぎ取ってもらった

みんなに自慢しよ
この亜嵐くんが変顔した時みたいな
ぶさいくなうさぎ




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