角砂糖に溶ける夢４【北×樹】

伝えなきゃ ページ37

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樹｢Aさん、いつにする？｣


『なにを？』


樹｢結婚式｣


『あー、結婚式…、結婚式！？』


樹｢言ったじゃないですか。Aさんが好きになってくれたら結婚しようって｣


『気が早いよ…』






日曜日のゆったりとした午後
もう1回、とせがむ樹くんを何とか止めて
ベッドでくつろいでた

そんな時に出た結婚の話

樹くんが好きってやっと気づけたのに
そんなにすぐ考えられるわけがない






樹｢じゃあ、一緒に住もう｣


『それも急すぎるって…』


樹｢…俺こう見えてもまだ結構不安なんですよ｣


『どうして？』


樹｢…やっぱり北人さんがいいって言われたらどうしよう、とか。隣に住んでたら俺が知らないとこで何されてもおかしくないから｣


『気にしすぎだよ。ほっくんにはちゃんと話すもん』


樹｢だけど…｣






こんなに不安そうな樹くん見るの初めて
余裕なさそうで下向いちゃって

わたしの気持ちは変わらないのになぁ
と思いながらちょっとからかってみる






『そんなにわたしのこと好きなの？』


樹｢…好きですけど｣


『え、』


樹｢意味わかんないくらい好きって言ったことありますよね。今もそれ変わってないから｣


『あ、ちょっと樹くん…っ』


樹｢…俺のって身体にも分からせないとだめかな｣






動きを封じられて
胸元に樹くんが口付けた

ピリッ、と噛まれたような痛みが数箇所に走って
自分でつけた跡をなぞってから
樹くんはわたしの頭を撫でた






樹｢北人さんにこれ見せてきてもいいよ？｣


『絶対やだ…！』


樹｢言葉で説明する必要ないのに｣






楽しそうに笑ってキスマークに口付ける






樹｢今日、話そう｣


『え？』


樹｢北人さんに。早い方がいいし、一緒に行こう｣


『ま、待ってよ…！』


樹｢だって、クリスマス…約束してんでしょ。今年は俺と過ごすから、約束なしにしてもらわないと｣






クリスマス…って、きゅんとしてる場合じゃない、！
確かにクリスマスまで待っててってほっくんには言われてた

だけど今はなんかこう冷戦状態っていうか…、






樹｢逃げちゃだめです｣


『逃げ、？』


樹｢北人さんを傷つけるかもしれなくても、そこはちゃんと伝えなきゃだめです。…大切な人だからこそ｣


『樹くん…』


樹｢俺は後ろめたくて、逃げたから…。失ってからじゃ遅いんです｣






手を握られただけなのに
大丈夫、って伝わってくるようだった




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