もう1回 ページ36
.
ずっとあったのに
ずっとずっと心の中にあったのに
なんでわたしはいつも見て見ぬふりをしてきたんだろう
こんなにも樹くんでいっぱいなのに
『ごめん、なさい…っ』
樹｢謝られると辛いんですけど、｣
『樹くん、好き…！』
樹｢…は？…え、いきなりなん…っ！｣
張り裂けるんじゃないかってぐらいに締め付けられる胸
苦しすぎて樹くんの首に手を回して
自分から口付けた
初めは驚いてた樹くんも
次第に受け入れてくれて
優しく抱きしめてくれた
樹｢…いきなりすぎ｣
『だからごめんなさいって言ったじゃん、』
樹｢なんだそれ、笑｣
『…好き』
樹｢…Aさんじゃないみたい｣
『いやだ、？』
樹｢ううん、かわいいからいい｣
『…ふぅん、』
樹｢え、なにそれ笑｣
『…樹くんは？』
樹｢ん？｣
『樹くんは、その…』
樹｢なに、言われないとわかんない｣
『…、』
樹｢そんな顔で見たってわかんないものはわかんない｣
『…っ、樹くんは、わたしの、こと…』
樹｢ずっと大好き｣
『っ…！』
樹｢Aさんだけ、ずっと大好き｣
猫を見つめてた時よりも甘い瞳で
目じりを垂らして
あまりにもかわいい笑顔で笑うから
なんだか好きすぎて
胸がぎゅーって苦しくなって
無性に憎たらしくなって
頬をつまんだ
樹｢…今の雰囲気でほっぺつねる人Aさんぐらいだよ｣
『…なんかむかついた』
樹｢なんで｣
『…好きすぎて』
樹｢はぁ〜…っ、ほんとに、｣
ぎゅ、って抱きしめ直して
わたしの肩におでこをくっつけた後
いきなりわたしを横抱きにして立ち上がった
『樹くんっ…？』
樹｢我慢できない｣
『ご飯食べ終わってないし、まだお昼だし…！』
樹｢関係ない。好きだから抱きたいって思った。…だめ？｣
樹くんの言葉
それはまるで角砂糖のように甘くて
何個あっても足りない
ないと苦すぎる
『…だめじゃない』
樹｢Aさん、かわいい。…好き、｣
今までこんなにたくさんの好きって気持ち
どこに隠せてたんだろう
いろんなこと考えすぎて
大切なもの見失ってたのかな
こんなにも愛おしくて
離したくないのに
樹｢Aさん。…A、｣
『…っ、なに？』
樹｢もう1回、キスして？｣
『え…？』
樹｢Aから、キスして｣
恥ずかしさを飲み込んで
ありったけの想いを込めて、キスをした
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1728人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めんま(プロフ) - この作品に出会うことができてよかったです！これからも作者さんのこと応援してます！！また何度も読み返しにきます！樹くんファンとしてはラストも嬉しかったです笑こんなに心動かされる素敵な作品に出会えて私は幸せです！更新いつもたのしみでした！ (2019年10月22日 0時) (
レス) id: a05b52eb06 (このIDを非表示/違反報告)
めんま(プロフ) - お疲れ様でした！！ほんとに素敵なお話をありがとございました。1番大好きな作品です。1話1話がとっても泣けました。苦しくて切なくてでも甘くてこんなに素敵な感動できる作品を作ってくれてありがとうございました。大好きです！ (2019年10月22日 0時) (レス) id: a05b52eb06 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶(プロフ) - 連載お疲れ様でした！私は北ちゃんファンなので、北ちゃんsideを見ると、きゅぅっと胸が締め付けられる感じがありました。でも、北ちゃんは北ちゃんだなぁって思うこともあり、樹くんは樹くんだなぁと思いました。なかなか話がまとまらない…とりあえず新作も読みます！ (2019年10月20日 23時) (レス) id: 9fd9170aaa (このIDを非表示/違反報告)
名無し56965号(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までドキドキしながら読ませていただきました！欲を言えば、樹くんと過ごすクリスマスも読みたいです、、、 (2019年10月20日 16時) (レス) id: a224838c7b (このIDを非表示/違反報告)
ほくちゃん(プロフ) - あーもぅだったらほくちゃんは私がもらう！！(笑)って思っちゃいました！(笑)ほくちゃんと結ばれてほしかったけど最後のほくちゃんがほくちゃんぽくて結果よかったです( ^ω^ )本当に更新されるのがこんなに楽しみだと思える作品に出会えてよかった！お疲れ様でした！！ (2019年10月20日 7時) (レス) id: 070cdb389c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れもん
| 作成日時：2019年8月17日 0時
