お願い ページ16
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抱きしめた腕を樹くんは指で触れて
小さな声でわたしを呼んだ
樹｢引きました…よね｣
『…』
樹｢俺、本当はAさんを好きになっていいような人間じゃないんです｣
『…、』
樹｢北人さんとか、玲於さんに優しくしてもらえる人間でもない。ひとりが…似合う奴なんです｣
『樹くん、』
樹｢嫌われるのは分かってました…。でも、話せてよかったです｣
…ばか
こんなに全部寂しそうなくせに
ひとりが似合う奴なんて思ってるわけないじゃんか
『樹くん、嘘が下手になったね』
樹｢…え？｣
樹くんがわたしを利用してたことは事実
だけど、途中から本気でわたしを想ってくれてた
ほっくんのことだって
だいすきになってたのに
変わるのがこわかったんだよね
不安で仕方なかったんだよね
偽ってばかりだった樹くんが
嘘が下手になった
それは、本音を伝えたい証拠だと思うから
『嫌いになんてならないよ』
樹｢う、そだ｣
『うそじゃない。気づいてあげられなくてごめんね』
樹｢Aさんが謝ることじゃ、｣
『話してくれて、ありがとう』
腕に、温かい涙を感じた
樹くんが泣いてる
わたしが救ってあげられるとは思わないけど
こうしてそばにいることで
少しでも支えられたらいいな
樹｢はぁ…、Aさんには頭上がんないです｣
『えー？笑』
樹｢Aさん、好き｣
『えっ…』
樹｢ほんとに、意味わかんないくらい…大好きです｣
胸が締まる感覚
これは、わたしもだよってことなのか
逆なのか…
樹｢もし、Aさんが俺を好きになってくれたら…｣
『…、』
樹｢その時は結婚してください｣
『あ、結婚…。…って、結婚！？』
樹｢付き合うとかもどかしいんで、結婚したいです｣
『な、何言って…』
樹｢もう早く…俺のものにしちゃいたい｣
樹くんは振り返って
下からわたしを見上げてくる
その瞳は柔らかくて
好きって伝わってくるものだった
何も言えなくて
唇をきゅっと結ぶ
そしたら手を伸ばしてきて
わたしの頬に触れる
樹｢はぁー…、めっちゃキスしてぇー…｣
『なっ…！？樹くん、そんなこと言う人じゃな…』
樹｢ねぇ、していい？｣
『だっ、だめ！』
樹｢え〜…、したい。どこならいい？｣
『どこもだめ…っ』
樹｢お願い｣
『………ほっぺなら、』
樹｢…何それ、かわいすぎ｣
久々のキスは、優しかった
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めんま(プロフ) - この作品に出会うことができてよかったです！これからも作者さんのこと応援してます！！また何度も読み返しにきます！樹くんファンとしてはラストも嬉しかったです笑こんなに心動かされる素敵な作品に出会えて私は幸せです！更新いつもたのしみでした！ (2019年10月22日 0時) (
レス) id: a05b52eb06 (このIDを非表示/違反報告)
めんま(プロフ) - お疲れ様でした！！ほんとに素敵なお話をありがとございました。1番大好きな作品です。1話1話がとっても泣けました。苦しくて切なくてでも甘くてこんなに素敵な感動できる作品を作ってくれてありがとうございました。大好きです！ (2019年10月22日 0時) (レス) id: a05b52eb06 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶(プロフ) - 連載お疲れ様でした！私は北ちゃんファンなので、北ちゃんsideを見ると、きゅぅっと胸が締め付けられる感じがありました。でも、北ちゃんは北ちゃんだなぁって思うこともあり、樹くんは樹くんだなぁと思いました。なかなか話がまとまらない…とりあえず新作も読みます！ (2019年10月20日 23時) (レス) id: 9fd9170aaa (このIDを非表示/違反報告)
名無し56965号(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までドキドキしながら読ませていただきました！欲を言えば、樹くんと過ごすクリスマスも読みたいです、、、 (2019年10月20日 16時) (レス) id: a224838c7b (このIDを非表示/違反報告)
ほくちゃん(プロフ) - あーもぅだったらほくちゃんは私がもらう！！(笑)って思っちゃいました！(笑)ほくちゃんと結ばれてほしかったけど最後のほくちゃんがほくちゃんぽくて結果よかったです( ^ω^ )本当に更新されるのがこんなに楽しみだと思える作品に出会えてよかった！お疲れ様でした！！ (2019年10月20日 7時) (レス) id: 070cdb389c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2019年8月17日 0時
