ちょっとでもいいから ページ8
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翔｢えっ！？ちょっ…泣かんといて？ごめんな、痛かった？｣
『ちがっ…』
壱｢はぁ…。わりぃ、翔吾。そいつ連れてくわ｣
そう言ってわんちゃんを離し
わたしの手を引いて部屋まで戻った
ピシャ、と襖を閉めて
自分の荷物から半袖の白黒の柄シャツを出して
わたしに投げた
…着ろってことだよね？
大人しくシャツに袖を通し、ボタンを数個しめた
壱馬先輩の香りがふわっと鼻をくすぐって
また目の奥がツン、として涙が出てきた
壱｢…お前さ、何なの？｣
『水着、貸してもらって…っ、何だかちょっと、うれしくて…』
壱｢…で？｣
『もう1回着てみよーって、部屋で着てて…っ、壱馬先輩に、見せたかったけど…また怒られるのいやで…っ、』
壱｢…、｣
『着替えっ、ようとしたら…っ、わんちゃんに下着持ってかれて…、追いかけてたら壱馬先輩に会っちゃって…、！もっ…、なんか…、ごめんなさい…！』
壱｢…ったく、おら｣
『……っ、？』
壱｢今だけだ、こっち来いよ｣
腕を広げてまっすぐにわたしを見てくれた
呆れられてるけど
やっぱり壱馬先輩は優しくて
引き寄せられるように腕の中に飛び込んだ
この格好で膝に乗るのは恥ずかしかったから
膝立ちだったんだけど
それもなんだか…
ちょうど胸のあたりに壱馬先輩の顔がきちゃってくすぐったい
うまく抱きつけずにいたら
太もも持たれて浮かせられて
また膝の上に乗せられた
壱｢自分で乗ってくんね？｣
『はず、かしくて…』
壱｢今更何言ってんだよ。こんなカッコでうろついてる方が恥ずかしいだろ｣
『それは間違いないです…』
壱｢…これを俺に見せたかったの？｣
『……かわいいの貸してもらったから、これで壱馬先輩の隣にいても変じゃないかなぁって』
壱｢まだそんなこと気にしてんのかよ｣
『…します。壱馬先輩…かっこいいから』
壱｢…バカみてぇ｣
『壱馬先輩に…ちょっとでもいいから、かわいいって思われたいんです、』
これで人前に出るのは嫌だけど
壱馬先輩にかわいいって思われたら頑張れるよ
壱馬先輩だけでいいの
他の人にどんな風に思われたって構わないから
壱馬先輩にだけ…見せたいの
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北人すきぴ - 更新まってました！！！ (2019年9月9日 18時) (
レス) id: cb30df2db6 (このIDを非表示/違反報告)
Ari - 最高ー！！！ (2019年9月9日 8時) (レス) id: 951d2b0c9b (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - 楽しみに待ってました。更新ありがとうございます。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: c3b198d50f (このIDを非表示/違反報告)
はまはま(プロフ) - 先週更新なくて落ち込んでたら今日やったと！！待ってましたよ〜！！先週しなかったから今日大量に…とかないですよね笑笑 (2019年9月7日 20時) (レス) id: 702b4d3b89 (このIDを非表示/違反報告)
くるくる - あぁぁぁぁぁ！！！ 大好き。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: 0cf3778fb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2019年7月14日 21時
