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家に着いて、とりあえず寝ろ って壱馬先輩にベッドに連れてかれた
作ってくれたお粥食べて、薬飲んで寝転んだら
すぐに睡魔がやってくる

寝る前に…壱馬先輩に伝えたいことがあるんだ






『壱馬先輩?』


壱「ん?」


『あの、わたしが受けた学部なんですけど…』


壱「あぁ、そういや聞いてないな。どこ?」


『文学部、です』


壱「へぇ。あ、古典好きだからか?」


『そうです。…で、あのですね、』


壱「うん、なに?」






枕の脇で頬杖して
空いてる手でわたしの髪の毛を柔らかく梳きながら聞いてくれる

…壱馬先輩は、柔らかくなったと思う
前からずっと優しくて素敵な人だったけど
ちゃんとお話してくれるようになった

前までは少し素っ気なかったり
口数少なかったりしたのに
今はわたしの目を見て、しっかり言葉にしてくれる

それが…うれしい






『教育学科…なんです』


壱「教育学科…ってことは、」


『古典の先生に、なりたくて…』


壱「先生…」


『わっ、わたしみたいなのが先生とかあれですよね!世も末なんですけど…っ』


壱「なんで?」


『…え?』


壱「いいじゃん、古典の先生。Aがやっと見つけた夢だろ」


『ゆ、め…』


壱「何も変じゃねぇよ。自信持って頑張ればいいじゃん」


『壱馬先輩…っ!』


壱「なに」


『好きです〜…っ』


壱「またお前は…笑」






ちょっとだけ不安だった
笑われる、とかそんな心配はなかったんだけど
しっかりとやりたいことを口にするのは初めてだったから

親にもまだ言ってない夢

壱馬先輩はあっさりとわたしの夢を認めてくれた
なんでも受け入れてくれる
もう…不安に思うことなんて何もない






壱「古典って言ったら高校の先生か」


『そうです!』


壱「Aが高校教師ねぇ…笑」


『な、なんですか…?』


壱「なめられそう」


『なんでっ!?』


壱「とろいし、あほだし、抜けてるし」


『うっ…』


壱「でも、好かれるだろうな」


『…え?』


壱「バカみたいに真っ直ぐ向き合ってくれるから」


『…いいこと?』


壱「いいことだよ。特に高校生ぐらいのガキにはな」


『…壱馬先輩だって卒業したばっかりなのにガキって、』


壱「あ?なんつった、今」


『ごめんなひゃい…』






ほっぺを両手で引っ張られる
今の…褒めてくれたのかな?

壱馬先輩に言ってよかった
わたし、頑張れる




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設定タグ:THERAMPAGE , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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北人すきぴ - 更新まってました!!! (2019年9月9日 18時) (レス) id: cb30df2db6 (このIDを非表示/違反報告)
Ari - 最高ー!!! (2019年9月9日 8時) (レス) id: 951d2b0c9b (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - 楽しみに待ってました。更新ありがとうございます。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: c3b198d50f (このIDを非表示/違反報告)
はまはま(プロフ) - 先週更新なくて落ち込んでたら今日やったと!!待ってましたよ〜!!先週しなかったから今日大量に…とかないですよね笑笑 (2019年9月7日 20時) (レス) id: 702b4d3b89 (このIDを非表示/違反報告)
くるくる - あぁぁぁぁぁ!!! 大好き。 (2019年9月7日 20時) (レス) id: 0cf3778fb3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもん | 作成日時:2019年7月14日 21時

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