アソビゴコロ 〜Wedding？〜３【川村壱馬】

いつになったら ページ34

壱馬side.




翔｢壱馬壱馬壱馬壱馬！！！｣


壱｢うるっ…せぇ…｣






大学の空きコマの時間
併設されてるカフェでいつも通り3人で過ごしてた

Aがそばにいなくなって
また昔の不眠症になりつつある俺は
少しの時間でも眠ろうと目を閉じていた時
翔吾に呼ばれ、思いっきり肩を揺らされた






北｢翔吾、声でかいよ｣


翔｢そんなこと言ってる場合ちゃうねん！これ見て！？｣






翔吾が見せたスマホの画面は
ここら辺では有名な暴力団の組織の写真だった

警察がなかなか逮捕に踏み込めないのは
隠蔽がうまくて証拠を残さないかららしい
表向きは自衛団とか何とか言ったり
夜の店を経営してるフリして女を売り飛ばしたり
汚いことばっかしてる奴らだって噂は聞いたことがある

これが、何だよ






北｢暴力団がなに？｣


翔｢ほくちゃんは見てへんけど、こいつ！｣






写真をアップした男を見て
ガタッ、と椅子を揺らした俺

こいつ…Aの家にいた奴だ






壱｢なんでこいつが…｣


北｢え…、まさかきゅまちゃん家にいた奴？｣


翔｢そう！きゅまちゃんのこと狙っとるんじゃ…｣


壱｢でも…、あいつん家には父親もいたはず…｣






家に帰ってないっては言ったけど、
母親の新しい男？

くっ…そ、どいつもこいつもクズばっかりかよ、
誰一人Aのこと考えてる奴いねぇじゃん
金さえ与えとけば生きれるとでも思ってんのかよ

あいつ、もしかしたら俺より親の愛情知らないんじゃ…






壱｢…早く助けねぇと、｣


翔｢でも、俺らが下手に手出していい奴らじゃ…｣


北｢あっ、壱馬のおじさんは？なんか知ってんじゃないのかな｣


壱｢海外にいるから何とも…｣


北｢それでもなんかヒントになることがあるかもじゃん｣






北人に言われて電話したら
留守電に繋がった

メッセージ送っとくから見て欲しい、とだけ伝え
翔吾から写真をもらい
調べて欲しいと写真とメッセージを送った






翔｢ほんっま…、いつになったらきゅまちゃんは本当に幸せになれるん…｣


壱｢…、｣






翔吾の言葉が胸に刺さった

俺と付き合ってからも
小さな嫌がらせが続いてきたこと
何度か身の危険があったこと

それ以外にもずっと家のことで悩んでたのか

あんな小さな体で全部背負い込んで
自分のことはいつも後回しで
壱馬先輩壱馬先輩…って

俺と出会ったことで
あいつが不幸だとは言わせたくない

絶対に俺が、幸せにするんだ
何がなんでも救い出す




.

フリ→←原因

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す