アソビゴコロ 〜Wedding？〜３【川村壱馬】

わたあめ ページ21

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シャワー浴びてたら
髪をアレンジする時間がなくて
全然花火大会に行くコンディションじゃない

メイクもほとんど直せてないし…
こんなで壱馬先輩の隣に並ぶのか、






壱｢まだ？｣


『もう行けます！』


壱｢…Aにしてはめずらしくラフだな｣


『時間がなさすぎます…』


壱｢…これはこれで変な虫寄ってきそうだな、｣


『虫寄ってきますかね…。虫除け買います？』


壱｢その虫じゃねぇ。行くぞ｣






その虫じゃないならなんの虫なんだ…？
疑問に思いながら
壱馬先輩の後に続いた

他のみんなはどこに行ったんだろう
きょろきょろしてたら
壱馬先輩が口を開いた






壱｢先行った｣


『え、みんな！？』


壱｢みんな｣






え〜、そうなのか…
せっかくみんなで最後の思い出できるかなぁなんて思ってたのに
わたしが遅いから置いていかれちゃったんだ

ちょっとだけ、寂しい






壱｢…んだよ、その顔｣


『え？』


壱｢俺と2人じゃ不満？｣


『壱馬先輩と…2人？…そっか！みんないないなら2人なんだ！不満どころか最高潮にハッピーです！！』


壱｢…あっそ｣






…あ、耳が赤い
壱馬先輩も2人きりなこと、うれしいって思ってくれてたらいいな

海が近い花火大会ってこともあり
人がごった返していた

壱馬先輩は何も言わずに手を繋いでくれて
はぐれないようにしてくれる
…好きだなぁ、好きだよ






『あっ、壱馬先輩！わたあめ食べましょ！』


壱｢砂糖じゃん…｣


『こんな時しか食べれないんですから！』






おじちゃんにひとつもらって
壱馬先輩の顔に近づける






壱｢いらねぇ｣


『わたあめが泣きますよ』


壱｢いいよ、別に｣


『もったいないなぁ』






頑なに食べない壱馬先輩からわたあめを離して
ひと口食べる
こんなに甘くておいしいのに
ほんとにもったいない

ふた口目を食べたら
一気にふわってとれちゃって
一生懸命口を動かして全部口に入れようとした

そしたら
綺麗な壱馬先輩の顔が近づいてきて
わたしの目の前で
食べ切れなかったわたあめを口に入れた






壱｢…あっま、｣


『あっ…えっ…』


壱｢…早くそれ口にいれろよ｣






唇についたわたあめを舌で舐め取りながら
微笑んでわたしに言った

あんな食べ方、ずるい
どきどきうるさい鼓動
一生壱馬先輩にどきどきして生きていくことになりそう

…一生、か
ずっと一緒に、いれるかな




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