角砂糖に溶ける夢２【北×樹】

かわいくねぇ後輩 ページ15

北人side.




食券を買って
定食を受け取って席に着く

いただきます、と小さく声に出して食べ始める目の前の樹は悪い奴じゃない
でも…油断できない奴

おれが喋らなくなったのを気にしてか
樹から話しかけてきた






樹｢怒ってます？｣


北｢怒ってます｣


樹｢…大丈夫ですよ。俺、Aさんに拒否られてるんで｣


北｢え、なんで？｣


樹｢遊び、からかってる、って思ってるみたいで。本気だって言ってんのに｣


北｢ほぉ〜…ん、そうなんだ｣


樹｢あからさまに嬉しそうな顔しないでくださいよ｣


北｢いや、だってそれ…全然おれに可能性あるじゃん。むしろ勝ってる｣


樹｢Aさんは俺のことが好きですよ？｣


北｢…っ、はぁ！？何をそんなに自信満々に…｣


樹｢見てれば分かります。俺のこと好きなのにいまいち信用してもらえないんです。どうしたらいいんですか？｣






は…、なんだこいつ
本気でおれが答えるとでも思ってんの？






北｢Aは…鈍感だからちゃんと言葉で言わなきゃだめなんだよ｣


樹｢…ライバルに助言するんですね｣


北｢…悪いかよ。優しいんでね！｣


樹｢自分で言わないでください｣


北｢まじでお前にAは渡さねぇから。樹のこと好きとか大勘違いだって分からせなきゃ｣


樹｢お好きにどーぞ。俺はもっとAさんと親密になるだけなんで｣


北｢…かわいくねぇ後輩だな｣


樹｢なんとでも言ってください｣






この飄々としてる感じがなんとも言えなくてムカつくんだよなぁ

でも妙にこのポンポン言い合える感じが好きだったりもする
くっそ…、樹がもっと嫌な奴だったらよかったのにな

それからくだらない話をしてご飯を食べ終え
戻ろうか、と席を立とうとした時だった






亜｢あ、樹！｣


樹｢亜嵐さん、お疲れ様です。資料、ありがとうございました｣


亜｢いえいえ〜、直接渡せなくてごめん！Aちゃんから受け取った？｣


樹｢はい、受け取りました｣


亜｢よかった〜。いっつもAちゃんに頼んじゃうんだよね笑｣


樹｢仲いいんですか？｣


亜｢玲於と俺が友だちだから、その関係で。ほくちゃんも仲良しだし、ね！｣


北｢えっ…、あっ、はい！｣






待って待って待って

Aに渡したってどういうこと？
受け取ったって…
会社内で会ったってこと？

猫に噛まれました、って…
信じたくなかったけど
やっぱりAとキスして噛まれたってこと…？




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