夕日に ページ48
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『ありがとう、樹くん。大事に着るね』
樹｢…はい｣
いまだにツンとしてる樹くん
照れ隠しなのかな
重い荷物がうれしい
帰り道を歩いていると
草むらから猫が出てきた
わたしたちの方をじっと見つめて動かない
樹｢…かわいい｣
『えっ？』
聞いたことないような柔らかい声で猫を呼んで
猫の前にしゃがみこむ
野良猫って警戒心強いから逃げちゃうんじゃ…
そう思ったけど
猫は安心したように樹くんに甘えてきた
差し出された手に頭をすりすりして
すっかりなついてるみたい
『動物の扱い上手だね…』
樹｢猫限定。猫大好きなんです｣
すごいなぁ
わたし、小さい頃からビビりだったから
動物に対してもビビりながら触ってた
その気持ちが伝わっちゃってか
動物がなついてくれたことは一度もない
樹｢Aさんも触る？｣
『わ、わたしは…』
樹｢かわいいよ｣
見たことない無邪気な瞳に負けて
隣にしゃがみこむ
そーっと手を伸ばしたら
猫が警戒したように離れた
『あ…』
樹｢こわがってるでしょ。大丈夫｣
『…うん』
樹くんの手が肩にぽんと置かれた
それで安心して おいで って猫に手を伸ばせた
猫はゆっくりと近づいてきてくれて
わたしの手に頭をくっつけた
『…っ！』
樹｢よかったじゃん｣
眩しいくらい素敵な笑顔が目の前にあった
ドキンドキン、と確かに鼓動を感じる
…わたし、樹くんが好きなんだ
一度芽生えてしまった恋心は自分ではどうにもできないんだね
…いいや、特に何も望まない
たまにこうやって…樹くんと過ごせるだけで満足
樹くんの謎は多いけど
好きだって言ってくれる時間を大切にしよう
樹｢よし、そろそろ行くか｣
『うん。猫ちゃん、ばいばい』
樹｢じゃあな〜。元気に過ごすんだぞ｣
かわいかったなぁ
余裕ができたら動物飼ってみたいかも
樹｢癒された｣
『ね、かわいかったな』
樹｢Aさんもあれくらい甘えてくれたらいいのに｣
『…ど、どういうこと？』
樹｢…俺のこといつも警戒してるみたいじゃん。だから、｣
『そんなことない、！』
樹｢…ほんと？｣
『ほんと、だよ。ただちょっと…樹くんは謎が多いから…』
樹｢……信用できない？｣
樹くんの歩く足が止まった
振り返ったら
夕日に染まる樹くんの顔が泣いてるように見えた
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ゆい(プロフ) - きゃー(≧∀≦)続きが気になる終わり方ですね！気になって眠れない(//∇//) (2019年7月30日 0時) (
レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
みゅらこ(プロフ) - お願いだからほっくんがんばれ〜！って毎日思ってます、ほっくんと結ばれますように^_^！！ (2019年7月29日 2時) (レス) id: 50dac2506b (このIDを非表示/違反報告)
@kn(プロフ) - えっ、え、え？！いっちゃんどうなっちゃうの…先が気になりすぎます(>_<;) (2019年7月29日 1時) (レス) id: 7eb5888ca7 (このIDを非表示/違反報告)
マダムムラサキ(プロフ) - コメント見てたら、ちょっと書くのに気が引けたんですけど…実は隠れ樹ファンで笑。もうなんかこの最後のシーンで涙出そうになりました。これからどうなるんかも全然分からないんですけど、なんだか辛い結末が待ってそうで…樹くん…頑張って欲しいです。 (2019年7月29日 0時) (レス) id: 18a8c959c0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - 北人くんまだまだほんとに出番少ない！北人くんの本気みせてほしい！！がんばって！！！！！ (2019年7月29日 0時) (レス) id: 2a1bcd5b7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2019年7月14日 17時
