角砂糖に溶ける夢２【北×樹】

これくらいは ページ41

北人side.




Aがお風呂入ってる間に
玲於さんに謝罪の連絡をした

プレゼンが成功して
これからが本番だっていうのに
こんなことになって申し訳ない

亜嵐さんにも連絡しとこ

ソファに寝転びながら携帯いじってたら
重くなってくる瞼

今日何もしてないのにねっむ…
A来るまで起きてないと、
また明日って見送らないと

起き上がって閉じそうになる目を必死に開ける

そしたらちょうどよくAがお風呂から出てきて
おれに笑いかける






『眠そうな顔してる』


北｢…なんでバレんの｣


『バレバレです。ベッド行きなよ』


北｢A見送るからむり、｣


『わたしほっくんが寝てから家帰るから』


北｢なんでだよ｣


『また何かあったら心配だもん。寝る前に痛み出したりしたらどうするの？』






寝るまで一緒にいてくれんのか…、

それも久しぶりでうれしいかも
どうせなら同じベッドで寝たいけど
そこは絶対我慢

理性保てる気がしねぇもん

Aの優しさに甘えてソファから立ち上がり
手を引いて寝室に移動した

ベッド脇に行こうとするのを制止して、向き合う






『どうしたの？』


北｢…おれが寝るまで隣に寝て？｣


『むっ…むりだよ、！』


北｢お願い。これでも一応不安だから、さ｣


『…わかった、』






困ったように笑うA

…やった、隣で寝るとかいつぶりだろ
先に入って子どものように隣をポンポン叩いた

すぐに来てくれて
2人で横になる

あー…、すぐそこにAがいる
すごい落ち着くし、ずっと見てられる

Aをただ見つめるおれを
怪我のことを不安がってると思ったのか
優しく髪を梳いてくれた






『ほっくんが寝るまで一緒にいるから大丈夫だよ』


北｢…安心｣


『でしょ〜』






自信満々にそう言って笑ったのに
5分後に目の前にあるのはAのあどけない寝顔

…ほっくんが寝るまで一緒 とか
どの口が言ってんだ

誰かさんが近いせいで眠気覚めちゃったし
あーあ、おれがいるのにぐっすりかよ

…樹は、こうして隣で眠るAをおれより先に見たんだ
朝隣で おはよう って起きるAも
おれが我慢してたAの姿を






北｢…おれがいちばんに、なりたかった｣






頬に手を伸ばして
顔を近づけかけて、止める

…また、寝てる時になんてずるすぎる

ちゃんと好きになってもらうまで
手は出さない

おやすみ、と頭を撫でてからおでこにキス
これくらいは…許してよ




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