角砂糖に溶ける夢２【北×樹】

手 ページ31

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お団子にしてたから
時間短縮のために
おくれ毛を出して夏っぽく綺麗なお団子に
ワンピースにしたら
また変なこと言われそうだからデニムにした

上はオフショルにしちゃったけど…
ご飯食べるだけだもんね
お団子にはこの服が合うし

メイクも…大丈夫

鍵を閉めて、樹くんの家のインターホンを押した
…ほんとに隣なんだなぁ
改めて考えるとすごいことだよな

そう考えてたら
ガチャ、とドアが開いた






『お待たせしました』


樹｢……｣


『な、に？』


樹｢…いや、｣






ふい、と目を逸らして
鍵を閉めて先に歩いて行ってしまった

な、なにあの反応…
すっぴんと顔違いますね って？
…自分でいちばんわかってますよーって

樹くんの一歩後ろを歩く
会話はないけど
晴天の下も歩くのは気持ちいい

今年も夏来たなぁ〜
プール行きたいな
ナイトプールとか話題だもんね

空を眺めながら歩いてたら
ちょん、と樹くんとわたしの手が触れた

…ん？
触れるくらい隣にいたっけ？
そう思って視線を下に向けようとした瞬間






『…っ！』






いきなり手を握られた
びっくりして何もできずにいたら
ゆっくり恋人繋ぎに変えてきて
一気に顔が熱くなる






『なっ、なにして…』


樹｢…Aさんが言ったんじゃん｣


『なに、を？』


樹｢この前話してた…両想いってわかったら、ってやつ｣






両想いってわかったら…？

…あ、付き合って手を繋いだり
いろんなとこ遊びに行ったり、ってやつ？

…え？






樹｢付き合う、のは無理だけど…こんくらいなら、できるし…｣


『樹、くん…？』


樹｢…Aさんが言う普通の恋ってやつ、して…やる｣


『…なんで上から目線なの』


樹｢かわいくない奴なんで｣


『自分で言うんだ、笑』


樹｢…早く行くぞ｣






もしかしたら照れてるのかなぁ、なんて

少しだけ早足になった樹くんを見て思った
樹くんなりにちゃんと考えてくれてるのかもしれない

わたしが言った些細なこと覚えててくれてるなんて
思ってもみなかった

でも、どうして…付き合うのが無理なんだろ
やっぱり何か過去にあったのかな
裏切られた、とか？

聞いてみたいけど…
そんな簡単に踏み入っていい話じゃない気もするし






樹｢あそこ｣


『え、近い』


樹｢ちょうど混んでるかな｣






そう言いながらお店に入ると
洋風なレストランだった




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