角砂糖に溶ける夢２【北×樹】

謝罪 ページ4

北人side.




北｢………、｣






起きて、ない…よな？
一気に力が抜ける
ベッドに寄りかかるようにしてため息をついた

…何やってんだろ
こういうことしない、って決めてきたのに
おれ…だめだなあ、






『…ん、』


北｢A？…ふふ、なぁに？｣






おれがいる方に寝返りを打って
何かを探すように手を伸ばしてくる

寝返りをしたせいで露わになった柔らかそうな太ももに
おれの中の何かが弾けそうになったけど
布団をかけて何とか耐えた

手を握って
さっきキスをした唇を親指でふにふにと押す

まだ…甘ったるい

求められたい
おれも、Aに…

もういちどだけ、と自分を甘やかして
Aの顔に近づいたら
首元が緩めなトップスのせいで
ほんの少しだけ胸元が見えそうだった






北｢ほんと無防備…っ｣






もう首元まで布団をかけてやろうと思った時に
見つけてしまった
鎖骨下の、紅い跡

最初は虫刺されかと思ったけど
今の時期に？

…ちがう、
これ…






北｢キス…マーク、？｣






ズキン、と胸が締めつけられる
頭おかしくなりそう

うそだ、なんで？
だれが？
こんなのつけるなんて…

ひとつしか、ないじゃんか

Aが誰かのものになるとしたら、それは…






北｢樹…？｣






自分で言っといて
信じられなくて
思わずAから離れた

いつの間に？
おれが知らない所で
2人で会ってた？

…だめだ、気になる
気になったら聞かなきゃ気が済まない

Aに聞くのは気が引ける、から…

まだ日付けが変わる前
ちょっと非常識だけど
まだ行ける…！






樹｢…北人さん？どうしたんですか、こんな時間に｣






Aの隣の部屋、なんだもんな…
案の定起きてた樹

落ち着け、おれ






北｢話したいこと…あって｣


樹｢…入ってください｣






初めて入った樹の部屋は殺風景で
殺風景な部屋にひとつだけモカ色の本棚が目立ってた






樹｢話って？仕事…じゃないですよね｣


北｢Aのこと、なんだけど｣


樹｢…｣


北｢Aに…何した？｣


樹｢キス、しました｣


北｢それだけ、？｣


樹｢…北人さんがたぶん思ってることも、しました｣






怒りなんだか悲しみなんだか分からない感情が
胸の中に渦巻いた






北｢付き合っ…てんの？｣


樹｢…付き合っては、ないです｣


北｢は…？じゃあ、お前付き合う前にAに手出したのかよ！｣


樹｢…すいません｣






その謝罪が、いちばん腹が立った




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