角砂糖に溶ける夢２【北×樹】

捕まっちゃう ページ11

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『あっ…』


樹｢あ、｣






今日からまたいつも通りほっくんの車で通勤になった

…のに
タイミング悪く樹くん…いや、藤原さんと遭遇しました
ほっくんはもう下に降りてるだろうし、
ここは挨拶だけして立ち去ろう






『お、おはようございます…』


樹｢おはよ、Aさん。あの、｣


『さっ…わらないで！』






掴まれかけた手
これ以上ないほどに振り払ってしまった

…わ、どうしよう
顔見れない

今のはやりすぎた






樹｢…俺のこと嫌いになりました？｣


『嫌いに…なり、たいです』


樹｢…そういうとこで正直なのずるいですよ｣






あぁ、やっちゃった
器用に嘘つきたいのに
嫌いになりました、なんて
樹くんに向かって言えるわけない

…だって締めつけられる胸が
まだ好きなことを物語ってる






樹｢前も言ったと思うんですけど、本気なんです｣


『…そんなこと言われても、』


樹｢…早く自分のものにしたくて、Aさんを傷つけてごめんなさい｣


『…、』


樹｢俺と…恋してください｣






…だめだ、
まともに樹くんの目を見たら
また流されてしまう

何も答えずに踵を返してほっくんの元に走り出そうとしたのに
樹くんはそう簡単に許してくれなかった

今度はしっかりと腕を引かれて
腰に手を回され
キスするギリギリまで顔を近づけられた






樹｢これから…Aさんの方が俺が恋しくて堪らなくなるよ｣


『そっ、んなわけ…！』


樹｢てか…そうさせるから｣


『勝手なことばっかり言わないで、！』






樹くんの腕から逃げ出して
エレベーターまで走った

幸いすぐにきてくれて
外に見えたほっくんに向かって走る






北｢あ、今日もちょっと遅…いっ！？｣






ほっくんに突進して
朝からぱちくりしてる瞳を見つめる






『…捕まりそう』


北｢え？｣


『このままじゃ…捕まっちゃう、』






なんのことだかわからないという顔をしてるほっくんから顔を逸らして
まだ跡が消えない首筋にそっと手を添えた




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