角砂糖に溶ける夢【北×樹】 (ページ49)

今日:57 hit、昨日:9 hit、合計:621,220 hit

俺のものページ49

.

角度を変えて何度も何度も
甘ったるいキスが繰り返される

鼻から抜ける声が自分じゃないみたいで
こわくなって思わず樹くんの首に手を回す

樹｢…もっと欲しい？｣

『や…ちが、の…んっ、』

開いてた唇の間から
樹くんの舌が口内に入り込む

舌先が触れる

びくっ、と体が無意識に揺れて
変な感覚が襲ってくる

逃げ出したいのに、樹くんはそれを許してくれなくて
絡まる舌に甘い痺れが全身を駆け巡る

ふわ、と服の上から樹くんの手が胸に触れた時
言い様のないｿﾞｸｿﾞｸとした何かが背中を走る

樹｢…ここじゃ背中痛いね？｣

『はっ…、ん…』

樹｢おいで｣

樹くんの首に手を回してたから
軽々とわたしを抱き上げて
ベッドにそっと降ろした

経験がないわたしでもわかる
これから樹くんがしようとしてること
…わたしが受け入れようとしてること

樹くんがTシャツを脱いでベッド下に投げた

露わになった筋肉質な体
直視できず手で顔を覆う

ちっちゃい時
お父さんとかほっくんの見たきりだよ
こんなの耐えられない

樹｢…Aさんには刺激強すぎた？｣

『もう目開けられない…』

樹｢…いいよ、目瞑ってて｣

そう言って優しいキスの嵐

ふわふわして、何も考えられなくなる
酔いしれてしまう
樹くんの香りに包まれて
樹くんの吐息を感じて

魔法にかかったみたいだった
ずっとふわふわしてて
樹くんが名前を呼んでくれる度に胸がきゅんとして

初めてだったけど
何もこわくなかった

ちょっとでも不安になったら
樹くんはすぐに頭を撫でて笑ってくれる
キスしてくれる

いつものいじわるはなくて
優しさに包まれるばかりだった

樹｢Aさん…っ、俺の、こと…っ、好き…、？｣

『好、き…っ、樹くん、好き…っ！』

樹｢…俺、も。これで…、俺のものだね。…Aっ、｣

…くすぐったい
胸のあたりに感じるくすぐったい何か

目を開けて見たら
樹くんがぴったりくっついて眠ってる

…かわいい

頭を撫でてたら
さっきまでのことを思い出して
恥ずかしさに隠れたくなる

ふ、服…！

だめ、樹くんを起こしちゃいそうで動けない
仕方ないけど起きるまで待ってよう

『好き、樹くん…』

樹｢…ふっ、｣

『えっ、ちょっと起きて…！？』

樹｢Aさん、寝顔かわいいね｣

『やだ…！』

樹｢…全部、俺のもの｣

わたしは藤原樹という枷に、茨に
絡まってしまった

.