角砂糖に溶ける夢【北×樹】 (ページ27)

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いいと思いますページ27

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『え…』

終業時間5分前
ほっくんから急いで打ったようなメールが
パソコンに送られてきた
仕事用ので送ってくるなんて…忙しいのかな

凪｢どうしたのー？｣

『ほっくんが残業になりそうって。でも、早く終わらせるから待っててって…』

凪｢プロジェクトでも任されたのかしらね。佐野くんがいるから大丈夫な気がするけど｣

今日も一緒に待ってる、と言ってくれた凪さんに甘えて
終業時間を過ぎたのを確認してロッカールームに向かった

着替えてエントランスホールにある
来客用のソファに座ってた

凪さんにおすすめのコスメを教えて貰ってた時
トントン、と指先で誰かに肩を叩かれた
見上げたら朝ぶりの樹くんだった

『な、な…っ』

樹｢迎えに来ました｣

凪｢え、吉野くんは？｣

樹｢いつ終わるか分かんないから送ってやってって｣

『樹くんは手伝わなくていいの、？』

樹｢まだ俺は足でまといみたいです｣

凪｢…まっ、藤原くんなら安心か！じゃあ、わたしは帰るわね｣

『あっ、ありがとうございました！』

立ち上がって凪さんにお礼を言って手を振る
あぁ、帰っちゃった…
まだちゃんと樹くんの顔見れないよ
あんなの初めてだもん

隣にいる樹くんをどうしようもなく意識しちゃって
動くことができない

樹｢帰ろ｣

『あの…っ、ほんとに…ほっくんが樹くんと帰れって？』

樹｢うん。言ってた｣

『わ、わたしほっくんに頑張ってって言ってから帰…っ』

樹｢…Aさん｣

顔を見ずにエレベーターホールに行こうとしたわたしの腕を
樹くんはぎゅ、と握った

樹｢…避けないで｣

胸が苦しくなった
樹くんのせいじゃないのに
わたしが勝手に樹くんのベッドに寝て
樹くんを捕まえちゃったからあんな風になっただけなのに

こんなの…樹くんに失礼だよね
逃げてるみたい

『…ごめんなさい』

樹｢ううん。いいと思います、ピュアで｣

…いいと思います、ってどこかで聞い…

『かわ…っ！！』

樹｢え？｣

前に言われた樹くんが言った｢いいと思います｣は
｢かわいい｣だってこと

い、今のは…？

『な、なんでもない！行こっか、！』

樹｢……ですよ｣

『え、なに？』

樹｢Aさん、かわいいです｣

…だめだ
免疫ないから、今たぶん顔真っ赤だ

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