角砂糖に溶ける夢【北×樹】

休憩室 ページ25

北人side.




んー…、なんか焦ってたなぁ
どうしよう、朝おれが怒りすぎて嫌になってたら
怒るほっくん嫌い！って…






北｢うぅぅぅ〜…｣


玲｢ほくちゃん？なに、悩みごとですか｣


北｢Aに嫌われてたらどうしよう、玲於さん…｣


玲｢いや、ないっしょ。ほんとAちゃんのことになるとネガティブ野郎だな｣


北｢しょうがないじゃないすか〜…｣


玲｢分かった分かった。1回休憩室行って何か飲んでこいよ｣


北｢…はーい｣


玲｢10分あげる。過ぎたら仕事増やす｣






申し訳ない…
仕事に私情は挟みたくないのに

Aに会わないとやってらんない
でも今会いに行ったら確実に変に思われる
言い訳のしようがない

会いたかった、って正直に言ったって
Aは深く考えないで そっか！ とか言うに決まってる

幼なじみって…強いけど弱いよなぁ

玲於さんに言われた通り休憩室に来たら、数人の先輩がいた
先輩たちが話してる声をシャットアウトしようとしても
声が大きくて嫌でも耳に入ってくる

自販機でホットココアを買い、いちばん端っこの椅子に座った
あっ…つ…
ふーふーしてたら玲於さんと同期の先輩の声で
' 受付の篠崎さん ' って聞こえてきて
思いっきり振り返っちゃうとこだった

…なんでA？
さっきまではシャットアウトしようとしてた声に耳を澄ませた






｢昼にエレベーターホールのとこで声かけられてさ、挨拶以外したことなかったんだけど。顔真っ赤にして一生懸命なにか言おうとしててめっちゃかわいくて｣

｢お前に気あんじゃないの〜？｣

｢まじかよ〜笑 その後、佐野連れて会議室の方行っちゃったんだよね｣

｢佐野に相談とか？笑｣

｢俺、彼女いんだけどなぁ笑 まぁ、篠崎さんかわいいから遊んでやってもいいかなって感じ？笑｣






…ふ〜ん

まだ熱いココアを飲み干して
ゴミ箱を殴りつけるようにして捨てた

その時に鳴ったゴン！という音に先輩たちがこっちを見る






北｢あ…、ごめんなさい。つい｣


｢おい、吉野いたのかよ…｣

｢今の話、｣


北｢聞こえてました。全部｣






バツの悪い顔をしておれから目を逸らす
そんなことしたって、言ったことは変わんないのに

…バカだなぁ

先輩に近づいて思いっきり睨みつける






｢冗談、だって…。本気にすんなよ、吉野｣


北｢…冗談でもAのそういう話されんの嫌なんすよ。…Aのこと傷つけたら、おれ何するかわかんないんで｣




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