角砂糖に溶ける夢【北×樹】 (ページ17)

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マンションページ17

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" やっぱりちょっとだけ酔っちゃってるから家まで送ってもらえませんか？ "

そう言われてお店の前でタクシーをとめて
2人で乗り込んだ

樹くんが運転手さんに告げた住所に
思わず口をあんぐり開けてしまう

『ほ、ほんとに今の樹くんのお家…？』

樹｢そうです｣

『わたしも、そのマンションだよ…』

樹｢え？そうなんですか？｣

『ほっくんと隣の部屋なんだけど…』

樹｢ちなみに、何階ですか？｣

『うんとね、5階』

樹｢え！俺も5階です｣

『え！？どっ、どこ！？』

樹｢一番奥です。512号室｣

『わ、わたし511だよ…』

樹｢…こんなことあります？｣

2人で顔を見合わせてすごいね… って

あの仲良し家族さんたちが引っ越してから
まさか樹くんが来てたなんて

全然業者さんとかも見なかったから
誰もいないんだと思ってた

マンションに着いて、2人で降りる

樹｢あの、Aさん｣

『うん？』

樹｢良かったら、なんですけど…。俺の家で2人で飲み直しませんか？｣

『え…』

樹｢あっ、やましい気持ちとか何もないです！ただ、Aさんともっと仲良くなりたい、から…｣

だめですか、？と不安そうな顔で
しかも上目遣いで言われたんじゃ断れるわけがない

ほっくんには
後からちゃんと言っておこう

怒られるかもしれないけど…
樹くんがいい人なのはほっくんもわかってるもんね

『うん、お願いします』

樹｢…まじすか？やった、行きましょう｣

ほんとにうれしそうにしながら
エレベーターに乗り込んで5階を押す

ふと携帯を確認すると
ほっくんからの不在着信とLINEがたくさん入ってた

『うわ…』

樹｢どうしたんですか？｣

『ほっくんからすごい連絡きてた。何も言わずに抜けてきちゃったもんね』

樹｢…｣

5階につき
一番奥の樹くんの家に行くまでに
ほっくんに連絡しようと歩きながら文字を打つ

でも、歩きながらだから
うまく文字が打てなくて誤字ばかり

樹｢…どうぞ｣

『あ、お邪魔します』

樹くんが玄関のドアを開けてくれて
ぺこ、とお辞儀をしてから中に一歩足を踏み入れた瞬間だった

気づいたら玄関のドアは閉められてて
背中に感じるドアの冷たさ
目の前には樹くんの肩があって
顔の横に樹くんの腕がドアに押し付けられていた
耳元に感じる、樹くんの吐息

何が、起きたの？

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