角砂糖に溶ける夢【北×樹】

甘ったれ ページ8

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車内のほっくんはいつも通りだったけど
でもどこかやっぱり不機嫌

わかっちゃうからね、保育園から一緒なんだもん






北｢今日おれん家でごはんね｣


『うん、材料ある？』


北｢この前買ったのまだ残ってるからある｣






マンションに着いて
エレベーターの中でごはんの話
隣の部屋だから行き来も簡単

でも泊まったことはない
いくら幼なじみでもそういうのはよくない って
こういうとこがわたしの親がほっくんを信頼するところ

ただいまー、と言いながらお家に上がり
早速ごはんの準備

お腹ペコペコって言ってたし
すぐできるのがいいよね

うーん、これならパスタかな
わたしがナポリタン食べたい






『ほっくーん！今日ナポリタンでもいい？』


北｢いいよー！｣






もう風呂入る、と寝室に準備に行ったほっくんに声をかける
お風呂の前に終わらせちゃお
サラダも欲しいなあ

＿…

ナポリタンができあがり
サラダの盛り付けをしてる時にほっくんはお風呂から帰ってきた






北｢いい匂いすぎてお風呂でお腹鳴ってた｣


『まだ温かいからすぐ食べれるよ』


北｢やったね〜｣






バスタオルで頭を乱雑に拭きながらテーブルの前のラグに座る






『髪乾かしてから来なよっていつも言ってるじゃん』


北｢腕疲れるんだもん。やって｣


『いやですー』


北｢今日、仕事頑張ったの！だからやーって！｣


『甘ったれ〜』






ドライヤーを突きつけられて
仕方なくほっくんの後ろのソファに座り
柔らかい髪を乾かし始めた

大学の頃から変わらないほっくんの赤い髪
お気に入りらしい






『はい、終わった』


北｢ありがと、A｣






こてん、と頭を後ろに倒し
わたしの膝に乗った

まん丸の瞳でにこにこ見上げてくる姿は
ちっちゃい頃からほんと変わらない

かわいいまんま、おっきくなった






『どういたしまして。あ、ほっくんビール飲む？』


北｢飲む！｣






冷蔵庫から取り出してほっくんの前に置く
2人で向かい合って座り、いただきます






北｢今日もAは飲まないの？｣


『仕事がある日は飲まないって言ってるでしょ』


北｢まぁ、弱いしね｣


『そうそう』


北｢そういえばね、樹いるじゃん｣


『新人の人？』


北｢そう。最初はかわいい奴だなって思ってたのに帰りにばぶばぶしてるって言われた｣


『1日でバレちゃったかー』


北｢明日からいじめてやるんだ｣






よかった
教育係も何だかんだ楽しそう




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