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嫌じゃない ページ32

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北「…Aさ、」


『ん?』


北「…今からおれが樹のキス消毒する、って言ったら、どうする?」


『…消毒?』


北「おれもAにキスして…樹のキス消すの」


『え…』






ほっくんと…キス?
そんなこと考えたこともなかったけど…

ほっくんは至って真剣な顔
少しだけ濡れて見える瞳に どき… として
視線を下に落とす

ちょうど唇が目に入って
急にほっくんが " 男の人 " に見えてしまう

当たり前だけど
わたしよりも背が高くて
わたしよりも声が低くて
わたしよりも力がある

意識してしまうと
今まで気にならなかった
ほっくんの男の人の部分が際立って見えてきて
今こうして2人でいるのも恥ずかしくなってくる






北「…A?」






どきどき、うるさい

ほっくんじゃ…ないみたい
顔が熱い
ほっくんの顔が見れない






北「…そんな反応したら、嫌じゃないのかもって思っちゃうじゃん」


『…、』


北「…男って単純だから、そういうのすぐ期待しちゃうんだよ」


『……じゃ…い、よ』


北「え?」


『いや…じゃ、な…いよ』


北「え…、」






なに、言っちゃってんだろ
わたし

ほっくんとは幼なじみなのに
キスとかそういうのって好きな人同士でするものなのに

でも、ほんとに嫌じゃないの
きっとほっくんだからなんだけど
あぁ…、どうしよう
大変なこと言っちゃった






北「…そういうの、他の男の前で絶対すんなよ」


『そういう、の?』


北「…まじで、自覚ないからやだ」


『あ…っ、ちょっと、ほっ…!』


北「…嫌じゃないってAが言ったんだからな」






ゆっくりとほっくんが近づいてくる
余りのドキドキに思わず後ずさる

すぐに壁に背中がぶつかって
どうしよう、と考える間もなく
ほっくんはわたしを抱きしめた

いつもと、違う
何かが…違う

抱きしめたままの距離で
ほっくんが顔をわたしの前に持ってくる
その時に見えたほっくんの表情、瞳が
今まで見たことない、ほっくんの " 男 " で

ほっくんの長くて細い指がわたしの顎を優しく掴んで
逃がさない、とでも言うかのように くい、 とあげられる

ほっくんの吐息を感じる
いつも距離は近かったけど
今日のは違う

ほっくんがほっくんじゃない
でも…嫌じゃない

ほっくんの視線がわたしの唇に向く
視界がぼやける程にほっくんが近づく

あ…、だめ…、力、抜け…




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設定タグ:THERAMPAGE , 吉野北人 , 藤原樹   
作品ジャンル:恋愛
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れもん(プロフ) - のあさん» そう思ってくれてうれしいです( ; ; ) (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - cさん» まだ終わらないので今後も楽しみにしててください! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 時雨さん» なりますよね( .. ) まだまだ北人くんはこんなでは終わらないので楽しみにしててください! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - リオナさん» 今後も読んでくださいね( ; ; ) ありがとうございます! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - mnyny1さん» ありがとうございます、頑張ります! (2019年7月14日 18時) (レス) id: 670a6ca50d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもん | 作成日時:2019年6月15日 19時

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