心底 ページ35
壱馬side.
嗚咽を漏らしながら泣きじゃくるA
宥めるように背中を撫でながら落ち着くまで待った
…何かあったに違いない
いきなり倒れるなんてことないだろ
今日は樹と帰るって聞いてた
…そういや、樹は?
『壱馬先輩…』
壱「落ち着いたか?」
『ごめん、なさい…っ。わたし…!』
壱「大丈夫。ちゃんと聞いてるから。俺がいるから、大丈夫」
『はぁ…、はぁ…っ、わたしのせ…っで、樹くんが…!』
壱「樹?樹がどうかした?」
息が荒くなってきた
樹に何かあったことは間違いないな
ナースコールで看護師を呼んで
Aが起きたことを伝え
様子を見てもらった
Aの頭を撫でて落ち着かせてから
さっき少しだけ話をした看護師に聞きたいことがある、と病室の外に呼んだ
壱「Aと一緒に同じ学校の男子生徒が来ませんでしたか?」
看「えぇと…、あ、いました。確か名前が…」
壱「樹。藤原樹」
看「あ、そうです。詳しい状況は分かりませんが、どうやら轢かれたみたいで…」
壱「…は?」
看「きっと…熊城さんと一緒にいた時に。警察が熊城さんに話を聞きたいって言ってるんですけど、様子が様子なので断ってるんです」
壱「あの、樹は今…」
Aが落ち着いて先生と会話してるのを確認してから
看護師に聞いた樹がいる病室に向かった
轢かれた、ってどういうことだ?
さっきAは わたしのせいで と言った
Aを狙った何かに樹は巻き込まれた…?
…クソッ、考えたって分かんねぇ
樹の病室をノックもせずに開けたら
1回だけ会ったことがある樹の母親がいた
壱「すいません、ノックもせずに…」
樹母「いいえ、いいのよ。お見舞いに来てくれたの?」
壱「…はい。俺の彼女も病院に運ばれてて」
樹母「あら…!大丈夫なの?」
壱「彼女は身体的な外傷はないので。あの…樹は、」
樹母「…強く育てたかいがあったわ。打撲と捻挫で済んだの」
壱「そっ…でしたか、」
樹母「…まだ目を覚まさないけど、きっと起きたらいつもと変わらないまま 腹減った とか言うのよ」
壱「樹なら…言いそうです」
樹母「樹は大丈夫だから、彼女さんの傍に居てあげて?」
壱「…はい。失礼しました」
お辞儀をして病院を出た
3歩ほど歩いて、壁伝いにズルズルと座り込む
壱「よかっ…た、!」
心底、安心した
力が抜ける
でも…Aの所に行かないと
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mopi(プロフ) - 本当にお話素敵で大好きで土日が楽しみで仕方ないです( ; ; )これからも更新楽しみにしてます、、! (2019年7月14日 21時) (レス) id: 89fe484069 (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - 最高すぎてこっちが… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)
Kissxxx(プロフ) - 土日が楽しみで仕方ない。 (2019年7月7日 8時) (レス) id: e97a57c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
apple9484(プロフ) - 早く土日にならないかなっていつも待って終わると悲しいくらいに好きです! (2019年7月6日 23時) (レス) id: 9f35d20aab (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - ぐふぉー好きすぎる!!見てるこっちも一緒にキャパオーバーしちゃいます笑笑 (2019年6月30日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2019年5月5日 18時