アソビゴコロ 〜Wedding？〜２【川村壱馬】

ポメラニアン ページ29

壱馬side.




タピオカ飲み終わって
併設されてるゲーセンでも行ってみるかって移動してた時

期間限定で動物と触れ合えるというコーナーが設置されていた

いるのは犬、うさぎの2種類だけ
子どもが群がってたから
間から見える犬見るだけでいいな、と思ってた時






『かわいい…』






隣のでっかい子どもが立ち止まって呟いた

ほんと、こいつは…






壱｢…行くぞ｣


『え？そっちゲーセンじゃな、』


壱｢見たいんだろ。付き合ってやるよ｣


『壱馬先輩…』






時間はあるし
最近、Aとこうしてゆっくりする時間もなかったから

特別、ってやつ

子どもの中に入ってくのは
恥ずかしくて仕方なかったけど
隣にいるAが喜んでるのを見たら
恥ずかしさなんてどこかにいった






『壱馬先輩、見てください！この子かわいい〜っ』


壱｢俺はこいつがいい｣






Aは柴犬の子どもを抱っこしてたけど
俺はポメラニアンの子ども

ふっさふさやなー…
かわええわ

あんまり周りに言ってないけど大の犬好き
Aといる時に犬と触れ合ったことはないから
変なとこ見せられないけど

抱っこして顔近づけてみたり
唇尖らせてキスする真似してみたり
頬と頬くっつけてみたり

…癒されるわぁ






『…壱馬先輩』


壱｢んー？｣


『わんちゃんにだとそんなデレデレするんですね、』


壱｢は？してねぇよ｣


『だってわたしといる時より楽しそうな顔してます…！』






…何言ってんだ、こいつ

え、なに
もしかして犬に嫉妬してんの？

本気でアホかよ
人と犬は違うだろ






壱｢だってかわええもんなぁ〜｣


『っ…』


壱｢見てるだけで癒しやし、お前とは違うわ｣


『…癒しじゃなくてすいませんでした！』






ふん！と聞こえてきそうなくらい
思いっきり俺から体を逸らしてふれあいコーナーから離れていった

あー…、またやったわ
反応がいいからどうしても遊んでしまう

ポメラニアンをおろして頭を撫でてからAの後ろを追いかけた






壱｢おい｣


『…』


壱｢待てよ、A｣


『…待ちません』






拗ねたな、クマのくせに

…でも、うれしくもある
玩具にしてた頃は俺に気を遣って
あまり好き以外の自分の気持ちを表に出さなかったから
今ではこうして素直に気持ちをぶつけてくれる

…めんどくせぇけど、構ってやりたいと…思う




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