ハニーバルーン ２【陸×壱×北】

一言 ページ12

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明日の朝ごはんの献立を考えて冷蔵庫眺めてたら

ぎゅ、と誰かに頭を掴まれた


上を向いたら、ふわふわ頭の壱馬くん






壱｢なんか飲みたい｣


『なんか？なにがいいの？』


壱｢なんでもいい、ちょーだい｣


『えー？お茶でいい？』


壱｢うん、持ってきて｣






…大王様か


そう思いながらソファに座った壱馬くんに

お茶をいれたコップ持っていった






壱｢ありがと｣


『…うん、ねえ』


壱｢ん？｣


『聞いてほしいことがあるの』


壱｢うん｣


『好きです』


壱｢………｣


『…？ あの、壱馬くんのこと好きです』


壱｢………｣


『…え？えっと、わたし壱馬くんのこと好…』


壱｢何回も言うな、あほ！聞こえとるから！｣






ちょっと怒ったのかと思ったら

なんだかほっぺ赤くしてて

照れてる、みたい…






『朝…朝は？ちゃんと聞いてた？』


壱｢聞いてたよ…｣


『なんで何も言ってくれなかったの！？』


壱｢時間もなかったし、なんて言っていいかわからんし…｣


『せめて ありがとう くらい言ってよ…』


壱｢ありがとう｣


『…どういたしまして』






これじゃ、何一つ進まない


わたしに好きって言われて

嫌なの？嬉しいの？






『もう…一緒に居れなくなるかもしれないんだよ』


壱｢…A？｣


『…好きだから、離れたくなかったよ』


壱｢A、｣


『壱馬くん…何考えてるのか全然わかんないよ…っ』






わたしのこと好きじゃなくたって

ごめん、くらいは言って欲しかった


いなくてもいい、みたいなこと言ったくせに

ちゃんと探しに来てくれるし…



なんだかだんだん自分が惨めになってきて

この場から逃げ出したくなった






壱｢…いて欲しいよ｣


『…え、？』


壱｢あんなこと言ったけど…ここにいて欲しい｣






出会った時から綺麗な瞳だと思ってた


今でも色褪せないその瞳が真っ直ぐわたしを見てる






壱｢でも、俺があの時言ったことも本音で…｣


『守れない、ってやつ？』


壱｢お前のこと、大事にしたいから、｣






…空耳？


大事にしたい、って、え？






『わたしのこと、大事にしたいの？』


壱｢…調子乗ん、｣


『えっ、え…！ちょっと嬉しい！壱馬くん！わたし、嬉しい！！』


壱｢…言うんじゃなかった｣






壱馬くんの一言で

惨めな気持ちなんて飛んでっちゃった




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