ハニーバルーン ２【陸×壱×北】

誕生日 ページ47

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明日の予定を確認するためにダイニングのカレンダーと向き合った


イベントラッシュも終わりを迎えようとしてて

みんなのスケジュールはまた違うものに変わっていってる



安定に海青くんはジムばっか行くなぁ…


でも朝早い人いないや

ちょっとゆっくりできる




あと１週間と少しで９月になる


カレンダーをめくって何となく眺めてたら

５日の所で目が止まる


…そういえば完全に頭から抜け落ちてたけど






『わたし、誕生日だ…』


壱｢へぇ、いつ？｣


『んーとね、５日…っ、ぎゃあっ！？』


壱｢…虫でたみたいな反応やめてくれる？｣






い、い、いつの間に…！


さっきまではいなかったのにいつ来たの…！？






壱｢カレンダーめくったあたりから後ろにいた｣


『あぁ、そっか…。って、え！？』


壱｢ふはっ、当たりだろ？お前、全部顔に出る｣






口抑えて目を細めながら笑ってる


…笑い方女子か



こっちはずっと

ドキドキ、ドキドキ

苦しいっていうのに






壱｢何歳になんの、19か？｣


『…うん、そうだよ』


壱｢慎たちと同い年だもんな。ふぅん、５日ねぇ｣


『…なに？』


壱｢べつに？笑｣


北｢なにが５日なのー？｣






あの日、

…花火大会の日


わたしは壱馬くんから離れることができなかった


気づいたら壱馬くんの顔が目の前で

ちゅ、って音がして顔が離れた時に初めて気づいた


壱馬くんに、キスされてたこと



ほんとにどうしていいかわからなくて

ただ壱馬くんのことを見つめるしかできなかった


そしたらゆっくり頭撫でられて

ふわっ…って柔らかい笑みがわたしに向けられた




…だけど、何も言ってくれなかった


あれから時間が経った今でも

あの時の話はしてこない




だから、どうしてあんなことしたのかわからないまま


壱馬くんは普通だけど

わたしは普通に見せかけて心臓が痛いくらいに脈打ってるの



ずるい、ずるい

壱馬くんのそういうところ、やだな




ダイニングに来た北人くんに

わたしが誕生日なこと伝えてる






北｢誕生日！？えっと、何ケーキがいい？プレゼントは何がいい？｣


『えぇぇ…、大丈夫。スルーして？笑』


北｢だめだよ！だってAが産まれた大事な日だよ？お祝いしなきゃ｣






この人はなんでこう恥ずかしいことをさらっと言えちゃうのかな…


でもその気持ちがうれしくて

ありがとう、と返事した




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