Heart 62. ページ13
玲於side.
全部、壊れたかと思った。
あの照れくさそうに一生懸命俺を見る顔も
玲於くん、って笑う顔も
いじめすぎてちょっと拗ねちゃった顔も
すぐ心配して不安そうになる顔も
子どもみてぇにあったかい手も
まん丸なほっぺも
ふわふわな髪も
高くて優しい声も
もう見れない、触れない、聴けない。
そう思ったら
痛くて、苦しくて、張り裂けそうだった。
川村Aって書かれたネームプレートを見つけて
深呼吸する。
…大丈夫、きっとまた 玲於くん って笑ってくれる。
震える手で扉を開けて見えたのは
頭に包帯を巻いた状態で子どもと遊ぶAちゃんの姿。
玲｢………は？｣
『あっ…、玲於くん！』
もう見れないんじゃないかって心配した笑顔。
遊んでた子どもが れおくん！ って真似した姿に微笑んで
その子を抱っこして近づいてくる。
『忙しいのにわざわざごめんね、全然大した怪我じゃないのに病院って大げさだよね』
玲｢いや、待って。俺さ、死にそうな声した壱馬から連絡もらって。まじでAちゃん瀕死の状態だったのかと思ってめっちゃ覚悟して来たんだけど｣
『壱馬くんまで大げさ…。頭殴られただけだから。わたしが弱いのか分かんないけど少しだけ血が出ちゃったみたい、』
子｢れおくん！いたいいたいのっ｣
放心状態の俺に子どもが
Aちゃんの頭をなでなでしながら言った。
玲｢…うん。いたいいたいね｣
真似するようにAちゃんの頭を撫でたら
恥ずかしそうに笑って
子どもの顔を見た。
何も変わってないAちゃん
よかった、ほんとによかった。
俺と一緒にいないからこんなことになったなんて思いたくなかったから。
守るって言ったくせに
ほんっと、だせぇ…
玲｢Aちゃん…｣
『うん？えっ、ちょ…っ、』
子｢ぎゅう！｣
Aちゃんが笑っててくれることが
こんなに嬉しくて幸せだと思わなかった。
Aちゃんと子どもを一緒に抱きしめれば
子どもは嬉しそうにはしゃぐ。
Aちゃんは小さな声で ごめんね と呟いた。
玲｢あいつ、捕まったって壱馬から聞いた｣
『…うん』
玲｢もう大丈夫。何もこわくない｣
『…うん、っ』
玲｢俺がいるから｣
早く治りますように って思って
Aちゃんの頭にキスをした。
.
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さく - 先にハニーバルーン読ませていただきました。まさか同じ作者さんだと思いませんでした！！どの作品も大好きです！これからも応援してます！ (2019年3月31日 22時) (
レス) id: 0b5409e2c9 (このIDを非表示/違反報告)
summermoon(プロフ) - ごめんなさい汗間違えて評価ボタン押しちゃいました……この作品大好きでもう読むの5回目なんです!!ほんとにごめんなさい。 (2018年12月23日 12時) (レス) id: 0648ee0eae (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんあや(プロフ) - 最高に可愛いくて最高にキュンキュンしました！甘々な玲於が見れてもうこっちまで溶けそうです笑 (2018年9月29日 23時) (レス) id: 78d74eec29 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - すごく面白かったです。素敵なお話でした！これからも応援しています。 (2018年9月14日 16時) (レス) id: 641198ffcc (このIDを非表示/違反報告)
KatayoseRise(プロフ) - このお話読んでFlow Back が好きになりました笑。玲於と女の子の感じが凄い好きです！ (2018年1月7日 14時) (レス) id: 151cd28ba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れもん
| 作成日時：2017年9月3日 19時
