星屑ハートブレイカー 【佐野玲於】

Heart 37. ページ37

玲於side.




『今日はありがとうございました』


亜｢ううん！俺らも久しぶりに会えて嬉しかったよ。玲於をよろしくね｣


『はっ…え！？』






びっくりした顔で急に俺を見た。


あー、そっか。

メンバーにバレてるの言ってなかったんだ。






龍｢お腹いっぱいやー。さぁ、帰ろ！｣


涼｢玲於は？｣


玲｢俺、Aちゃん送る｣


『え？大丈夫だよ。みんなと帰…』


玲｢誰のためにお酒飲まなかったと思ってんだよ｣






…なんて、ただの口実。


もっと一緒にいたいから、って言ったら

たぶんこいつ逃げるから。




ちょっと責任を感じさせるいじわる、笑






隼｢玲於、また明日な！Aちゃんもばいばい！早く戻ってきてな！！｣


『隼くん、ありがとう〜…！』






タクシーに乗るみんなにブンブン手を振って


みんなを乗せたタクシーが見えなくなるまで見つめてた。






『…楽しかったなぁ。やっぱりわたしGENE好き』


玲｢よかったじゃん。俺らも帰ろ｣


『うっ、ん…』






また手を軽く握ったら

おしゃべりさんが口を閉じる。


意識しちゃってんのバレバレで

俺までドキドキしてくるから困る。



タクシーに乗り込んで

しばらく無言。


Aちゃんが喋んないのはたぶん

手を繋いでるから。




いくら何でもさ、緊張しすぎじゃない？






玲｢…どうしたら前みたいにおしゃべりになんの｣


『へっ…、え、っと…、玲於くんが甘くなくなったら、かな』


玲｢どういう意味？｣


『あの、その…好き、とか感じさせなくなったらというか…』






…それ、だめじゃね？


俺、好きなものには一直線タイプだからなぁ。



しかも両想いって分かってんのに

そんなのむりだって。






玲｢それはきつい｣


『じゃあ、喋れない…』


玲｢許さない｣


『玲於くんはわかんないからだよ…っ』


玲｢なにを？｣


『どれだけ自分の声と存在が凶器かを…』






何言ってんの？こいつ笑


俺にとったら

お前の方が凶器だけどなぁ、






玲｢てか、喋れてんじゃん｣


『玲於くんが喋るから』


玲｢何でもかんでも俺のせいにしないで｣


『だってほんとだもん』






お店からAちゃんの家は近くて

気づけばもうすぐそこ。


あー、またしばらく会えねぇのかな。






『玲於くん、今日はありがとう』


玲｢ううん。また行こ｣


『うん！』


玲｢２人でも…行こうね｣






言った瞬間

赤くなった頬を見逃さなかった。




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