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flower 179. ページ30

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北人くんが慌てたように背中を叩く。


顔を見上げたら

あっち!ってわたしの後ろを指さした。



涙でぼやける視界でぐるりと後ろを見たら

見慣れたシルエット。


ドクン、ドクン…


心臓がうるさい。



指で涙を拭いて

もう1度見慣れたシルエットを見たら

いつもの2倍くらい目を見開いた






『はっ、やと…!!』






隼がいた。


北人くんが優しく背中を押してくれたのもあって

隼の所に駆け出した。



当の本人は驚きながらキョロキョロと辺りを見回してから

わたしを見て反射的に腕を広げた。


だから、迷わずその腕に飛び込んだ。






隼「…なんでいんの?」


『…っ、このっ…ばか!!!』






ぎゅう…、と隼に抱きついたら

背中に回される腕。


とぼけてる隼の両頬を思いっきり引っ張ったら

いひゃいっ…!と情けない顔。






『嘘つき…!自分勝手…っ、おにぎり野郎っ…!』


隼「待って、最後の関係なくない?」






泣きじゃくるわたしに困った笑みを浮かべながら

頭を撫でてくれた。


隼がまだ行ってなかった安心感と

隼の存在の温かみに涙が止まらない。






隼「…ごめんね」


『どうして、今日行くって言ってくれなかったの…っ?』


隼「…、最後くらいかっこつけたいなぁって!笑」






…絶対嘘だよ。


隼が嘘つく時の顔ぐらいすぐ分かるんだから。



少しだけ隼を睨むと

う…、と言って頭をかいた。






隼「…ってのは冗談で、Aが泣くと思って」


『わたし、が?』


隼「どうせ、寂しい寂しいって泣くんだろうなって思ったの!俺はAの笑った顔が好きだから、泣いて欲しくなかった…んですよねぇ…」


『ばっ…、か…!』


隼「だってほら、泣かせちゃった、」






眉を八の字にして

切なそうにわたしの涙を拭った。


最後の最後まで

わたしのこと考えてくれるんだね。


隼にはもっと

自分を大事にしてほしいのに。



隼の顔を見つめてたら

隼の後ろに隼ママと佐野くん

あと、たぶん佐野くんのお母さんがいるのが見えた。






『もう…LA行っちゃったと思ったから、』


隼「LA?俺行くのNYだよ?」


『…え?』


隼「あれ、言ってなかった?変わったんだよね。お世話になる人が一旦NY来て欲しいって言うからさ」






バッ!と電子掲示板を見たら

NY行きの飛行機があと10分で出発すると書いてあった。




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設定タグ:GENERATIONS , THERAMPAGE , 小森隼,吉野北人   
作品ジャンル:恋愛
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亜嵐LOVE - 小森ワップ@綺羅さん» え、それなです!!優しさヤバかった! (2020年4月17日 23時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
小森ワップ@綺羅 - 感動しました(´;ω;`) 隼くんの優しさ半端ねぇっす! とにかくこの作品とても病みつきになりました!れもんさんの作品自体が好き。もう、好き(突然の告白) (2020年4月16日 2時) (レス) id: bd82defe4a (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - めっちゃ泣きました!最初は隼とくっつけ!って思ってたけど北人くんが出てきた時から北人くんでした!(?)とにかく、面白かったです!!!他の小説も書くなら読みます!絶対 (2020年3月31日 18時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
あな - こんな素敵な小説ありがとうございます!私は隼くん推しなのですが途中から北人くんと結ばれてほしいと思いました笑私は北人くんと同じ地元なので方言とか出てとても嬉しかったです!!!また沢山小説書いてください!!沢山読みにいきます! (2020年3月23日 4時) (レス) id: c0c70f9aca (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 何回も泣いちゃいました!才能がいらますね! (2020年3月4日 7時) (レス) id: 1700360fa8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもん | 作成日時:2017年8月1日 23時

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