勿忘草が揺れる頃 ４【隼×北人】

flower 167. ページ18

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手をどけた北人くんの目は赤くて

またちょっと泣いてたんだって分かった。






『ちゃんと北人くんのこと、信じられなくてごめん…』


北｢俺も、不安にさせてたの気づけなくてごめん｣


『北人くんは謝らなくていい！』


北｢だって俺が悪いもん！A先輩こそ謝んないで！｣


『わっ、悪いって思ってるからでしょ…！？』


北｢悪くないって！もう全部忘れて！｣






…しばらくお互いちょっと怒った顔で目を見合わせてたら

ふと笑みが零れた。






北｢なんで口喧嘩してんの、笑｣


『…仲良しだから？』


北｢…かわいすぎ｣


『…好き』


北｢えっ…、ちょ、いきなりはだめ。心臓に悪い｣


『だって、大好き…』


北｢あ〜、もう分かったから…。ちょっと黙って｣






顔にかかった髪の毛を耳にかけて

そっと唇が触れ合った。


好きだって気づいてからのキスは

またちょっと特別な感じがして

胸の鼓動が治まらない。



意識がふわふわ揺れて

溶けていくみたい。




北人くん、わたし


あなたに出会えてよかった。






北｢…ねぇ、今日泊まってかない？｣


『何の用意も持ってきてないよ』


北｢もう俺の家に持ってきなよ。着替えとか｣


『そこまで…』


北｢して欲しいの。ね、だめ？久しぶりにA先輩のご飯食べたい｣






赤ちゃん笑顔で言われたら

断れるわけなくて

頷いてる自分がいた。


惚れた弱みって、こわいなぁ…。






北｢よしっ！今日は何作れるかな〜｣






わたしを起こしてから

嬉しそうに冷蔵庫を確認しに行った。



まさに るんるん その言葉が当てはまってて

乱れた髪とか服を整えながら

かわいいなぁってその様子を見てた。






北｢ねぇ！オムライスなら作れるかな｣


『んー、どれ？』






わたしも冷蔵庫を覗きに行くと

北人くんが後ろから抱きついてきて肩に顎を乗せてきた。






『うん、作れるよ。オムライスでいいの？』


北｢食べたい！｣






北人くんの顔見ながら言ったら

まるで花が咲くみたいにキラキラな笑顔。



またこれからお弁当作り頑張らなきゃ。






『…北人くん。離れないと作れませんよ？』


北｢うーん｣


『先にお風呂入っちゃったら？』


北｢うわ、今の新婚さんみてぇ｣


『へっ、変なこと言わないで…！』


北｢へへ笑 邪魔しないからもうちょっとこうしてていい？｣






ゆるくお腹に手を巻きつけて

柔らかくくっついた体勢。


まぁ、これなら…。




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