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flower 165. ページ16

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とりあえず涙は引いた。


どうやって、何から、伝えよう。






コップをテーブルに置いて

北人くんを見たら、北人くんもわたしを見てて

時が止まったみたいだった。


少しだけ首を傾げて ん? と微笑まれれば

伝えたいことは1つしかなくて。






『北人くん…好き…』


北「……………うん?」






空気に溶かすように呟いた2文字は北人くんに届いたはず。


なのに、唇をきゅっと結んで

ちょっとだけ目を開いて動かなくなっちゃった。



えっ…






『ほ、北人くん…?あの、聞こえた?わたし、北人くんのことが好きだよ』


北「……へ、」


『…? 聞いてる?好きなの。北人くんのことが誰よりも大好き。好き、大好きっ…!?』






止まったまま、何のアクションも起こさないから

聞こえてないのかと思って大きめの声で伝えたら

ワンちゃんみたいにぎゅうっ!って飛びついてきた。


おかげで床にちょっと頭打ったけど

北人くんのすすり泣く声が聞こえたから

痛みなんて吹き飛んだ。






『ほ、くと…くん?』


北「嘘じゃ…っ、ない?」


『…嘘じゃないよ。北人くんが好き。今更遅いかもしれないけど…』


北「…遅、くない。全然遅くっ…ない、!」






顔を上げた北人くんの目には

うるうると涙が溜まってて

瞬きをした瞬間にわたしの頬に落ちてきた。






北「…俺もね、A先輩のことっ、大好きぃ〜っ…!」






ぽろぽろ、雫が流れ落ちる。


北人くんの涙が落ちてくる度

どれだけ傷つけて不安にさせてたんだろうって

胸が痛くなって

北人くんの首に手を回して引き寄せて




唇を触れ合わせた。



初めてキスした時みたいに

ドキドキして、切なくて


キスも、その先も

北人くんが初めてで良かったって強く思った。






北「…どうしよ、信じられない」


『どうしたら信じてくれる、?』


北「…分かんないから、もっと好きって言ってみて?」






わたしの横に寝転がって

足を絡ませて

腰に手を回して

おでことおでこをくっつける。






『…北人くん、好き』


北「…うん、」


『大好き。北人くん、好き。大好き』


北「…っ、うん」


『好き、好き…。北人くん、好…』


北「〜っ!もう分かったから!」






自分から言ってって言ってきたくせに

わたしの口を押さえてきた。


その顔は真っ赤で

恥ずかしくてたまらないって顔。




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設定タグ:GENERATIONS , THERAMPAGE , 小森隼,吉野北人   
作品ジャンル:恋愛
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亜嵐LOVE - 小森ワップ@綺羅さん» え、それなです!!優しさヤバかった! (2020年4月17日 23時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
小森ワップ@綺羅 - 感動しました(´;ω;`) 隼くんの優しさ半端ねぇっす! とにかくこの作品とても病みつきになりました!れもんさんの作品自体が好き。もう、好き(突然の告白) (2020年4月16日 2時) (レス) id: bd82defe4a (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - めっちゃ泣きました!最初は隼とくっつけ!って思ってたけど北人くんが出てきた時から北人くんでした!(?)とにかく、面白かったです!!!他の小説も書くなら読みます!絶対 (2020年3月31日 18時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
あな - こんな素敵な小説ありがとうございます!私は隼くん推しなのですが途中から北人くんと結ばれてほしいと思いました笑私は北人くんと同じ地元なので方言とか出てとても嬉しかったです!!!また沢山小説書いてください!!沢山読みにいきます! (2020年3月23日 4時) (レス) id: c0c70f9aca (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 何回も泣いちゃいました!才能がいらますね! (2020年3月4日 7時) (レス) id: 1700360fa8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもん | 作成日時:2017年8月1日 23時

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