flower 163. ページ14
.
隼「A…?」
『隼…っ、わたしね、北人くんに出会うまでずっと…ずっと…隼のこと大好きだった…』
隼「…うん」
打ち明けることなんてないと思ってた思い。
隼はぎゅ、とわたしを抱きしめ返して頷いた。
『幼なじみだから、バレちゃいけないって自分の気持ち隠して、このまま幼なじみとして隼の隣にいれればいいやって思ってた…!苦しくても、隼の隣にいれれば幸せって思ってた…』
隼「…ごめん」
『ほんとに、大好きだったよ…っ』
もう、何を伝えたいのかも分からないけど
頷きながら聞いてくれる隼があたたかくて
涙が止まらない。
『…想うことしか知らなかったわたしに、想われる幸せをくれたのが北人くんだったの、』
隼「うん、」
『こんなわたしにたくさん好きだって言ってくれて、そばにいてくれて、笑顔にしてくれた…!』
言葉にしたら
北人くんへの想いが溢れ出す。
おかしいね。
あんなに迷ってたはずなのに
自分の気持ちに気づいた途端
こわいくらいに好きが募っていく。
北人くんが好き、大好き。
胸の奥が、好きでいっぱい。
『わたし…隼の気持ちには応えられないけど…!隼は、わたしの初恋の人で、大事な大事な幼なじみだから…これからも、』
隼「当たり前じゃん。離れねえから」
少しわたしから離れて
デコピンをしてきた。
隼「俺とAの絆は誰にも負けないし、誰にも切れない。これからもずーっとたった一人の俺の幼なじみだよ」
『は、やと…っ』
隼まで涙ぐんで言うから
子どもみたいに泣いた。
そしたら隼も子どもみたいに泣くから
2人で顔を見合わせて笑った。
隼「あ゙ぁー、久しぶりにこんな泣いたわ」
『わたしも、』
隼「後輩くんに、伝えに行くの?」
『…ううん、今日はもうこんな時間だし』
隼「…そっか。早い方がいいからな」
最後までわたしのこと考えてくれて
ほんとに心が綺麗な人。
ありがとう と言うと
どういたしまして と笑う。
隼「気をつけて帰れ」
『うん、ありがとう』
隼「じゃあ、またな」
『また、ね』
玄関まで見送ってくれた隼に手を振って
自分の家に帰った。
隼「…大好きだよ」
見えなくなるまでわたしの後ろ姿を見つめて
一筋の涙を流しながら呟いた言葉は
儚く空に消えていった。
.
1426人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
亜嵐LOVE - 小森ワップ@綺羅さん» え、それなです!!優しさヤバかった! (2020年4月17日 23時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
小森ワップ@綺羅 - 感動しました(´;ω;`) 隼くんの優しさ半端ねぇっす! とにかくこの作品とても病みつきになりました!れもんさんの作品自体が好き。もう、好き(突然の告白) (2020年4月16日 2時) (レス) id: bd82defe4a (このIDを非表示/違反報告)
亜嵐LOVE - めっちゃ泣きました!最初は隼とくっつけ!って思ってたけど北人くんが出てきた時から北人くんでした!(?)とにかく、面白かったです!!!他の小説も書くなら読みます!絶対 (2020年3月31日 18時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
あな - こんな素敵な小説ありがとうございます!私は隼くん推しなのですが途中から北人くんと結ばれてほしいと思いました笑私は北人くんと同じ地元なので方言とか出てとても嬉しかったです!!!また沢山小説書いてください!!沢山読みにいきます! (2020年3月23日 4時) (レス) id: c0c70f9aca (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 何回も泣いちゃいました!才能がいらますね! (2020年3月4日 7時) (レス) id: 1700360fa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れもん | 作成日時:2017年8月1日 23時