勿忘草が揺れる頃 ４【隼×北人】

flower 161. ページ12

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休日。


お母さんの仕事の手伝いを頼まれて

お店に来てた。



サキと話した日から

いろいろ考えた。


そろそろ、自分の本当の気持ちが見えそうな気がしてる。






母｢A〜。これあそこに運んで｣


『はーい』






新しいお花をどこに展示するか。


結構それが大事らしい。



…落ち着くなぁ、花。






母｢次これね｣


『…勿忘草』






手渡されたのは

青と白の勿忘草。






母｢今年は綺麗に咲いたわ〜。誰かにあげたら？｣


『…あげる人なんか、』


母｢ほら、サキちゃんだっけ？仲良しの子いるじゃない｣


『サキに花〜？笑』






お母さんの言葉に ドキン ってした。


あげるって言ったら

あの２人しか思いつかないから。






『お母さん、次は？』


母｢まだ届いてないからちょっと早いけどお昼ご飯にしよ！｣






お昼が近づいてきたところで

一旦お仕事は終わり。


作ってきたサンドイッチを２人で食べる。






母｢変なこと聞いていい？｣


『なに？』


母｢…北ちゃん、元気？｣






な、んで…。


答えに困ったけど

お母さんがまっすぐ見つめてくるから。






『…うん、毎日バスケ頑張ってる』


母｢…そう。あんなに顔見てたから、こう離れてみると寂しくてね｣






そう言ったお母さんは勿忘草を見てて

北人くんのことを思い出してるんだと思った。


いっつも言ってたから、北人くん。



早く勿忘草が見たいですって。






母｢…A、言ってなかったことがあるんだけど｣


『ん？』


母｢この前ね、北ちゃん…家に来たのよ｣






…え？


なに、言ってんの？






母｢笑顔にするって、守ってくって言ったのに約束守れなくてごめんなさい…って。わざわざ謝りに来たの｣


『そんな、の知らな…』


母｢内緒にしてくださいって言われたわ。全部俺が悪いからって｣






どこまで、優しい人なの？


普通できないよ。

親に謝るなんて。






母｢何があったのか分からないけど、お母さんとしてはAが幸せなのが1番なの｣


『お母さん…』


母｢Aが笑っててくれるのが1番なの。この人の隣で笑ってたいと思う人と一緒になりなさい｣






わたしはそれがお父さんだったわ って

嬉しそうに笑った。



もしかして、隼と北人くんで揺れてること気づいてる？


お母さん、昔から何でも鋭かったから…。



隣で笑ってたい人…

わたし、は…。




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